研究課題/領域番号 |
16540170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
大内 忠 上智大学, 理工学部, 教授 (00087082)
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研究分担者 |
内山 康一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053689)
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
吉野 邦生 上智大学, 理工学部, 助教授 (60138378)
平田 均 上智大学, 理工学部, 講師 (20266076)
後藤 聡史 上智大学, 理工学部, 手 (00286759)
青柳 美輝 上智大学, 理工学部, 助手 (90338434)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 複素偏微分方程式 / 解の特異点 / 漸近挙動 / 形式解 / 超関数 / p-ラプラス方程式 / 多重和可能 / Gevrey評価 / Gevrey型誤差評価 / Daubeschies Operator / CDF系 / ゲルファントーシロフ空間 / 漸近展開 / 特異点をもつ解 / 正定符号超関数 |
研究概要 |
1.複素領域における偏微分方程式の特異点をもつ解の漸近挙動について研究し、以下の結果を得た。 1.1.偏微分方程式の形式整級数解とこの形式整級数を漸近展開にもつ真の解の関連を重点的に研究した。形式整級数の"multi-summability"(多重和可能)の理論を研究し応用し、ある2つ偏微分方程式のクラスを見つけそれに対しては形式級数解が"multi-summable"であるという成果を得た。 1.2.ある重要なクラスの非線型偏微分方程式に対して、解の漸近挙動がより複雑な関数を用いて記述されることを示した。より詳しく言うとそのクラスは確定特異点とする常微分方程式の非線型特異摂動というべきものであり、Mellin型の積分で表示される関数空間を導入し、それを用いて解の漸近挙動が記述できることを示した。さらに特筆すべき研究結果として、解と漸近挙動を記述する関数との違いRemainderがGevrey型評価を持つことが得られたことである。 1.3.微分方程式を研究する際、偏微分方程式をなるべく簡単な方程式に変換することが考えられる。2つの1階偏微分方程式のある種の同値性を導入し、この問題を解くために無限変数の方程式を導入し、その可解性が同値性を意味する。その方程式を解くことに成功した。得られた結果は、特異点を持つ解の存在、非存在に応用できる。 1.4.Nonlinear totally characteristic typeと呼ぶ非線型偏微分方程式のクラスを導入し、このクラスについて、特異点を持つ解の存在、非存在の条件に関する結果を得た。 1.5.動径方向のp-ラプラス方程式に対する弱解の初期値問題の局所一意性を、Briot-Bouquet型定理を用いて研究し、零コーシー値をもつ自明でない局所零解を構成した。 2.超関数の種々の性質を熱方程式の基本解を使って研究した。特に以下について研究し成果を得た。 (1)Paley Wienerの定理(2)正の定符号超関数(3)ゲルファントーシロフの関数空間 熱方程式の基本解を使うことにより、(1),(2)に関する超関数の性質の簡明な証明を与えることに成功した。この方法は超関数の他の研究にも応用できると考えられ発展が期待できる。 以上の結果は研究集会、学会等で発表され、論文、報告集で公表されるであろう。
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