研究分担者 |
神谷 茂保 岡山理科大学, 工学部, 教授 (80122381)
渋谷 義弘 (濱谷 義弘) 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (40228549)
示野 信一 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (60254140)
長渕 裕 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (60252607)
田中 敏 岡山理科大学, 理学部, 講師 (90331959)
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研究概要 |
研究代表者および分担者(平成16〜17年度3名,平成18年度5名)は,時間遅れをもつ方程式の典型例である関数微分方程式,積分微分方程式,ポルテラ差分方程式を中心に上記課題名の研究を行った.そのうち,上記課題名と極めて密接な関係にある研究成果についてその概要を述べる. 1.バナッハ空間における可積分核をもつ線形積分微分方程式に対し,特性作用素のスペクトルの分布状況およびレゾルベントの可積分性によって解の漸近安定性の特徴づけを行った.応用として,概周期的摂動項をもつ方程式を扱い,概周期解の存在のための十分条件を与え,解のスペクトル解析を行った.また,これらの手法をポルテラ差分方程式にも適用し,区分的に連続な時間遅れをもつ偏微分方程式の安定性解析に応用した, 2.線形方程式についての相空間における定数変化法の公式を利用して,非線形方程式に対する局所安定多様体や中心多様体等の不変多様体の存在を確立し,解の安定性の問題に応用した.また,精緻な証明により,滑らかな不変多様体の存在を確立し,分岐理論の展開への手がかりとなる結果を導いた. 3.摂動項をもつ線形関数差分方程式の解の漸近挙動を調べるために,摂動項を取り除いた方程式に対応する解作用素を利用して相空間を安定部分空間と不安定部分空間に直和分解し,解作用素および解の切片のそれぞれの分解成分の評価を確立した.特に,解の漸近挙動において不安定部分空間の成分が安定部分空間の成分よりも優位にあることを証明し,不安定部分の解析を行うことにより解全体の漸近挙動に関する結果を導き,差分方程式や微分方程式に対するペロンの定理に対応する結果を拡張した.
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