研究分担者 |
納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
前田 吉昭 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
立川 篤 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50188257)
久保 仁 名古屋大学, 大学院・多元数理稗学研究科, 准教授 (20319148)
石毛 和広 (石毛 和弘) 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90272020)
笹原 康浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (90235292)
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研究概要 |
研究代表者は,幾何学的変分問題の一例とされる調和写像に関連して,小谷と砂田による結晶格子の標準実現の幾何学的視覚化の研究を行った.小谷と砂田による,結晶格子の標準実現とは,有限グラフの1次元ホモロジー群またはその部分群を被覆変換群にもつ抽象的な被覆グラフを考える.その被覆グラフに対して,アルバネーゼトーラスへの調査写像としてえられるものが,実世界での結晶格子を表すと考えるものである.小谷と砂田による結晶格子の標準実現については,小谷と砂田による論文中でアルゴリズムが提示され,いくつかの例が計算されているが,より複雑な例,および被覆変換群が1次元ホモロジー群の真の部分群となる場合には,その計算は必ずしも容易なものではない。そのため,研究代表者は,グラフ理論および線型計算の基本的アルゴリズムを利用し,小谷と砂田によるアルゴリズムにしたがって,結晶格子の標準実現(特に,1次元ホモロジー群のランクが3である場合に限り)をコンピュータグラッフィクスで実現することを考え,そのアプリケーションの構成を行った.砂田は,K4グラフを基本グラフとする3次元ユークリッド空間内に実現されるK4結晶格子を新しく発見したが,K4格子の実際の形を見るために,研究代表者の作成したアプリケーションが利用された.これにより,K4格子を結晶格子として持つ物質の構造計算が可能になった
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