研究概要 |
群Gをその正規部分群Nでの商群Q=G/Nとする.以前の論文の中で,モジュラー障害因子の定義には,連続分解を用いて定義した.AFDIII_λ-型因子環の離散分解(Connesの離散分解)に対応して,群Q_m={(p,t)∈Q×R : mod α_p=t modT'Z}を考える.するとG上の変形されたモジュラー障害因子はトーラスTに値を取る群Q_m上のある種の3次コホモロジー群なり,また,特性不変量も群H_m上のトーラスTに値を取る不変量になる.そして変形されたHJR-完全系列と同型な離散化された変形HJR-完全系列が下記の第一列である.そして此は普通のHJR-完全系列との関係は次のようになることを示した. H^2(H,T)→Λ(H_m,L,M,T)→H^3(Q_m,T)*Hom_G(N,R/TZ)→H^3(H,T) 〓 ↓ ↓∂ 〓 H^2(H,T)→Λ(H,M,T)→H^3(G,T)→H^3(H,T) これらを証明するための準備として,亜群(groupoid)に関するinductionやrestrictionを用いてgroupoidに関する次元低下定理(Dimension shifting theorem)を示し,これを適用して上の図式を得た. 一方上で与えた離散型の変形HJR-完全系列に現れるモジュラー障害因子がAFDIII_λ-型因子環上のG-外部作用の完全不変量であることと,その不変量を持つモデル構成を与えた. そして,より具体的な群として,行列A∈SL(2,Z)に対して半直積群G(A)=Z^2×_AZのとき,その3次コホモロジー群はH^3(G(A),T)〓Tとなる.そして,t∈Tに対応して,ある種のG(A)の外部作用α^tを具体的に構成した.また,ある種のG(A)の外部作用の何がt∈Tに対応するかをも示した.これらを示すためには,群G(A)に関係した特性類や2次のコホモロジー群を具体的に求めることが必要であった.
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