研究分担者 |
森 正気 山形大学, 理学部, 教授 (80004456)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 教授 (50220108)
藤解 和也 金沢大学, 工学部, 助教授 (30260558)
澤田 一成 東京都立工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (10270232)
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研究概要 |
一変数の値分布理論を用いて,複素平面での常微分方程式,離散的函数方程式,特に多項式係数線形差分方程式とSchroeder方程式を研究対象にしました.複素力学系と関わりのある非線形微分方程式に対するMalmquist-Yosida型の評価。極を無限個有する有理型関数を係数とする線形2階方程式の解の存在と周期解の構成をしました.古典的なWiman-Valiron理論を差分方程式に応用できる形に再構築しました.Schroeder函数の値分布論的性質の中のJuliaおよびBorelの方向と定義有理函数のJulia集合との間に密接な関わりがあることの証明をあたえました.また,Schroeder函数を一般化した場合にも,Borel方向についての性質を保存する条件を見いだしました.以下に分担者ごとの研究実績を報告いたします. 有理形関数の一意性定理について研究しました.これまでにも一意性集合の研究はありましたが,一意性領域の研究はあまり無いように思われます.複素領域に非有界集合や可算無限個の領域を与えました.(森) Painlev'e方程式(I)を特別な場合として含む高階Painlev'e方程式の有理型関数解について,その位数の下からの評価を与えたました.Painlev'e'方程式III,Vのmodified typeについて,その解の増大度の上からの評価を与えました.さらに,II,IVについてはその解の下からの評価を与えました.二重周期有理型関数を係数にもつRiccati型方程式についてその解の値分布を調べました.また,qasi-Painleve' propertyをもつ非線形方程式の例を与え,その性質を調べました.(下村) 複素誤差関数の力学系について,そのパラメータ空間を研究した。また、実係数を持つある双曲型複素誤差関数のジュリア集合について,双曲型有理関数では起こりえない位相的性質を見いだしました.超越整関数の複素力学系について研究を行いました.とくに複素誤差関数の力学系について研究を進め,そのジュリア集合の興味深い性質を示しました.(諸澤) Fermat型の函数方程式を満たす有理型函数の存在と債分布について研究し,G.G.Gundersen教授との共同研究により,新たな整函数解を見つけました.また,有理型函数の角領域における一意性問題を森正気教授及びW.Lin氏と研究し,新たな知見を得ました.(藤解) ある種の3薬代数型面上の解析函数の除外値の個数が,その面の定義方程式の判別式の零点分布から受ける影響を調査し,定量的な結果を得た代数的微分方程式の有理型函数解について定性的な結果を得ました.(澤田)
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