研究課題/領域番号 |
16540230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳田 勉 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (10125677)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | ニュートリノ / 宇宙のバリオン数 / インフレーション宇宙 / 超対称性 / 超重力理論 / グラビティーノ / ニュートリノの質量 |
研究概要 |
ニュートリノの小さな質量を説明するSeesaw機構によれば、その小さい質量は非常に重いMajoranaニュートリノが存在することを予言する。この重いニュートリノは宇宙の温度がその質量より高ければ大量に生成される。その後、宇宙が膨張し、重いニュートリノの質量より宇宙の温度が下がってくると重いニュートリノの崩壊が始まる。ここで重要なのはMajorana型の質量がレプトン数を破る点である。このために、重いニュートリノはレプトンへの崩壊と反レプトンへの崩壊が可能になる。CPが破れていればレプトンへの崩壊率と反レプトンへの崩壊率は互いに異なる。つまり、この崩壊によりネットなレプトン数が生成される。この生成されたレプトン数はKRS効果によりバリオン数に変換される。このようにして、宇宙のバリオン数が生成される。本研究では、この機構と観測されたニュートリノの質量が矛盾しないことを示した。 宇宙のバリオン数の生成を考える上で宇宙のインフレーション後の再加熱過程の考察は不可欠である。本研究の最終年度では、インフラトンの崩壊を超対称性重力理論の枠内で考察した。超対称性が破れると重力子の相棒のグラビチーノが質量を持つ。その質量は超対称性の破れをクォークやレプトンの世界に伝える方法によって異なり、現在のところ未知のパラメターである。上記のバリオン数生成機構はこの超対称性の破れを伝える機構に重要な制限を与える。本研究では、宇宙のバリオン数と矛盾しない超対称性の破れを伝える機構として、Gauge mediationとAnomaly mediationが選ばれることを示した。この結果は来年度から始まるLHC実験により検証されると期待できる。
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