研究課題/領域番号 |
16540231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藤川 和男 日本大学, 理工学部, 教授 (30013436)
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研究分担者 |
仲 滋文 日本大学, 理工学部, 教授 (60120515)
出口 真一 日本大学, 理工学部, 教授 (50207502)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ゲージ対称性 / 経路積分 / 磁気単極子 / 第2量子化 / 幾何学的位相 / ホロノミー / 量子異常 / ゲージ場 / 隠れたゲージ対称性 / 指数定理 / 電荷の量子化 / Q変形 / 位相 / トポロジー / 断熱近似 / 非可換時空 / ユニタリー性 / 摂動 / 真空状態 |
研究概要 |
藤川はまず非可換時空における場の理論の量子化とその一般的な性質を研究した。とくに、Yang-Feldman形式と呼ばれるものと経路積分形式の関係を明確にした。最近一部の人たちにより提案されていた修正した時間順序積に基づくユニタリー性の回復のメカニズムを考察し、このようなスキームでは必然的にエネルギーの正定値性がこわれることを示した。また、フェルミ粒子に関しては、ニュートリノの小さな質量についての一般的な考察を行った。とくに、ニュートリノの非常に小さい質量とフェルミ場のシフト対称性の関連を研究し、超対称性との関連も指摘した。 ついで、藤川は出口と共同して、幾何学的な位相と呼ばれるものを場の理論的な手法を用いて定式化した。この手法は演算子形式でも経路積分の手法でも、両方の定式化で幾何学的な位相が明確に扱えることを示しており、今後の応用において有用と期待される。ここで指摘された隠れたゲージ対称性のより詳細な考察を藤川は行った。さらに藤川は、量子異常と幾何学的な位相の基本的な差異を解明し、過去における誤った認識を正した。幾何学的位相に現れるゲージ対称性の起源を追求し、非断熱的位相と呼ばれるものも隠れたゲージ対称性に付随したホロノミーとして定式化できることを示した。この定式化は、従来の定式化に比して量子力学の基礎原理である重ね合わせの原理との整合性がよく、より満足できる定式化になっている。さらに、混合状態の幾何学的位相の研究を進め、この幾何学的位相も隠れたゲージ対称性に伴うホロノミーとして定式化されることを示した。この定式化の特徴は、観測可能量は全て明白にゲージ不変であるということにある。過去においては、観測可能量のゲージ不変性は保障されていなかった。このようにして、幾何学的位相は第2量子化に現れる隠れたゲージ対称性に起源を持つという描像が確立された。 分担者の出口は、Diracの磁気単極子に伴う電荷の量子化をアティアー・シンガーの指数定理の立場から解明した。また、出口は球面上のゲージ場理論の量子化の考察を行った。さらに、出口はこれまでのQCDの真空状態の考察を続け、安定なかっ非自明なQCDの存在に関する研究を行った。分担者の仲は、Q変形と非局所的な場の性質の解明を行った。
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