研究課題/領域番号 |
16540235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江里口 良治 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80175231)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 回転星 / マグネター / 平衡状態 / ポロイダル磁場 / トロイダル磁場 / 安定性 / 磁気回転星 |
研究概要 |
強磁場を伴う回転星の構造を求める定式化を行い、それに従った数値計算コードを作成し、多様な平衡状態を求めることに成功した。また、求められた平衡状態の安定性を調べるための定式化も行った。安定性に関しては、その定式化に基づく数値計算コードを開発中である。 軸対称定常状態の磁場入り回転星の平衡状態に関しては、1950年代から研究がなされてきたが、強い磁場の影響を非摂動的に取り入れた解は、ポロイダル磁場のみのある場合にしか求めらていなかった。しかし、ポロイダル磁場のみでは不安定であり、ポロイダルとトロイダル磁場が同程度に寄与する平衡状態を求めることが必要であった。ポロイダルとトロイダル磁場の共存する磁気回転星の構造を求める数値計算コードの開発には、軸対称定常状態と両立する電流密度の形を見出すことが重要である。 本研究では、軸対称定常状態での電流密度jが、磁場、渦度、質量密度、速度のφ成分を、H、ω、ρ、vとし、ベクトルポテンシャルのφ成分の任意関数をκ、φ、μ、Ωとしたときj=(κ+φ'v)H+φω+ρ(μ+Ω'v)e_φと表わされることを見出すことに成功した。ここでe_φはφ方向の単位ベクトルである。 この表式を用いることで、ポロイダルとトロイダル磁場が同程度に寄与する状況で、(1)一様回転する強磁場星の平衡状態、(2)非一様回転する強磁場星の平衡状態、(3)子午面環流のある強磁場星の平衡状態、を求めることに成功した。それらの様々な平衡状態から分かる重要な結論は、「無限遠に伸びたダイポール的磁場とトロイドに巻きついたねじれたトロイダル磁場からなる構造」が一般的に現れることである。これは、Braithwaiteらがdynamicalな計算によって求めたtwisted torus structureに一致しているもので、これ軸対称定常状態での一般的な磁場構造であることを強く示唆している。
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