研究課題/領域番号 |
16540241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
原田 正康 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (40311716)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 量子色力学(QCD) / カイラル対称性 / 低エネルギー有効理論 / ベクトル中間子ドミナンス / 光子放出崩壊 / シュウィンガー・ダイソン方程式 / ベーテ・サルビーター方程式 / 有限温度相転移 / シュウィンーガー・ダイソン方程式 / ベーテ・サルピーター方程式 / シュビンーガー・ダイソン方程式 / D中間子 |
研究概要 |
1.ベクター・マニフェステーションに基づく解析 私は以前、有限温度・有限密度QCDにおけるカイラル相転移点近傍で、π中間子とp中間子がカイラル対称性のもとでパートナーとなる新しい型の相転移(ベクター・マニフェステーション;'VM)を提唱しました。このVMを実験的に検証すべく次の解析を行いました。 (1)VM型相転移に基づいて構成した模型が、新しく発見されたD中間子の質量を再現することを示しました。 (2)VM型相転移に基づきベクトル中間子ドミナンスの破れを取り入れてレプトン対スペクトルを調べました。そして、ベクトル中間子ドミナンスを仮定したドロッピングρに基づく模型より低いスペクトルが予言されることを示しました。 2.π中間子・ρ中間子・a1中間子を含めた新しい有効理論の構築 π中間子・ρ中間子に加えてa1中間子を含めた新しい有効理論を構築し、カイラル相転移点近傍では、ρ中間子とa1中間子の質量が軽くなることを示しました。 3.AdS/QCD模型への系統的補正の取り入れ方の提案 AdS/QCD対応に基づき超弦理論から導かれた模型への系統的補正の取り入れ方を提案し、実験との一致がよくなることを示しました。 4.φ中間子の1光子放出崩壊の解析 カイラル相転移点近傍でスカラー中間子を含む模型を構築するためには、通常状態でのスカラー中間子の性質を明らかにする必要があります。そこで、カイラル対称性に基づくφ中間子の1光子放出崩壊の解析を行い、以前に我々が提唱した模型が他の模型よりも実験との一致がよいことを示しました。 5.ラージ・フレーバーQCDにおけるカイラル相転移の解析 有限温度・有限密度QCDと同様にカイラル相転移が起こると期待されるラージフレーバーQCDをシュウィンガー・ダイソン方程式とべ一テ・サルピーター方程式を用いて解析しました。まず、通常状態におけるπ+中間子とπ^0中間子の質量差がよく再現されることを示し、次に、この質量差はラージフレーバーQCDの相転移点近傍で増大することを示しました。
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