研究課題/領域番号 |
16540285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 慎一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00227141)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 半導体表面 / 時間分解分光 / フェムト秒レーザー / 2光子光電子分光 / キャリアダイナミクス / 表面再結合速度 / 表面欠陥 / Si(001)(2x1) / Si(001)(2x1)表面 / STM |
研究概要 |
本研究では、フェムト秒時間分解2光子光電子分光(TR2PPE)装置に、温度・構造など、試料の物理的パラメータを制御・評価できる装置を組み合わせたシステムの構築を行い、これを用いて主としてSi(001)表面においてついて研究し、以下のような結果を得た。 1)Si(001)(2x1)表面上における励起電子のダイナミクスについて研究し、バルク→表面の電子遷移には励起密度依存性があることが分かった。また、バルク伝導帯電子・表面非占有状態電子の減衰ともに、励起波長依存性が観測されること、また、その際に、励起後40ps以降ではバルク電子数と表面電子数がほぼ比例関係にあることを観測した。この事実から、 a)バルク励起電子の減衰は、表面状態への遷移(表面再結合)およびバルク内部への拡散が支配している。 b)表面状態電子の寿命は短く(<10ps)、この結果、表面励起電子数は、バルクからの遷移によって支配されている。 ことが分かった。さらに、拡散方程式を用いたシミュレーションとの比較によって、Si(001)(2x1)表面における表面再結合速度を見積ることに成功した 2)STM(走査トンネル顕微鏡)とTR2PPEを組み合わせ、表面の局所的な構造とダイナミクスの関連についての相関を調べることができるようになった。このシステムを用い、Si(001)(2x1)表面におけるC欠陥が表面ダイナミクスに与える影響に関して研究した。その結果は以下のようなものである;a)C欠陥数増加とSi(001)表面のフェルミレベルピニングなどの表面電子状態の変化が分かった。b)C欠陥増加によって、表面励起電子・バルク励起電子ともに見かけ上の減衰が速くなり、互いの比も変化した。これは、表面での電子消滅寿命τがC欠陥の数に対して線形に減少すると仮定することで定量的に説明された。
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