研究課題/領域番号 |
16540293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | いわき明星大学 |
研究代表者 |
清水 文直 いわき明星大学, 科学技術学部, 助教授 (20206212)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 硫安系強誘電体 / Rb_2ZnCl_4群強誘電体 / Tl_2ZnI_4群強誘電体 / β-K_2SO_4構造 / Sr_2GeS_4構造 / α-β相転移 / Tl_2ZnCl_4 / K_2ZnCl_4 / (RB_<1-x>Cs_x)_2ZnI_4 / Cs_2MnBr_4 / (Rb_<1-x>Cs_x)_2MnI_4 / 強誘電性 / Tl2ZnCl4 / K2ZnCl4 / Cs2MnI4 / Cs2MnBr4 / β-K2SO4構造 / Sr2GeS4構造 |
研究概要 |
A_2BX_4型ハロゲン化合物の統一的理解に関する研究」という課題を掲げて研究を進めてきた。A_2BX_4型ハロゲン化合物はβ-K_2SO_4型構造をとる物質群とSr_2GeS_4型構造をとる物質群とに大きく2つに分けられる。これらを統一して理解するためには、その物質の融点、α-β相転移点、室温という3つの温度を考えることによって、3つのグループに分類されることが分かる。まず第1のグループは、α-β相転移点が融点以下で室温以上に存在する物質である。室温ではα状態(Sr_2GeS_4型構造)にあるが、α-β相転移点以上はβ状態(β-K_2SO_4型構造)である。第2のグループはα-β相転移点が融点以上にあるとされる物質である。したがってα-β相転移点を測定することはできない。この第2グループに含まれる物質は室温でα状態にあり、K_2ZnBr_4以外の強誘電性を示す物質であるとされる。最後の第3のグループは室温でβ状態をとる物質である。α-β相転移点は室温以下にあるとされるので、実際に測定することできない.この第3のグループに入る物質はRb_2ZnCl_4を始めとする物質群である.以上、β-K_2SO_4型構造をとる物質群とSr_2GeS_4型構造をとる物質群とを統一して理解することができそうである。その物質が前途のどのグループに含まれるかということを実験的に証明するために、2つの物質の組み合わせて混晶系を作成し、置換率xを関数としたときのそれぞれの融点、α-β相転移点、低温側の明瞭な誘電率の異常Tcなどがどのような挙動を示すのかを明らかにしてきた。たとえば第1のグループに入るRb_2ZnI_4と第2のグループの強誘電体K_2ZnI_4の混晶系(Rb_<1-x>K_x)_2ZnI_4においては確かに強誘電体K_2ZnI_4にはα-β相転移点が融点までに存在しないことを実験的に証明することができた。本研究においては先ほどの例に挙げたRb_2ZnI_4と第3のグループに含まれるCs_2ZnI_4との混晶系(Rb_<1-x>Cs_x)_2ZnI_4を作成し、Cs_2ZnI_4には室温までにはα-β相転移点が存在しないということ、つまり確かに第3のグループに分類されることを実験的に証明することができた。他にTl_2ZnI_4にはα-β相転移が存在すること、K_2ZnCl_4にα-β相転移の存在する可能性について報告した。K_2ZnCl_4の5mm^3程度の大きさの単結晶ではα状態にあると思われる挙動を示すが、結晶が大きく成長する間に完全にβ状態へと変わっていくというような実験結果が得られた。
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