研究課題/領域番号 |
16540303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平賀 晴弘 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90323097)
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研究分担者 |
山田 和芳 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70133923)
藤田 全基 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20303894)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | スピン密度波 / ストライプ秩序 / 中性子散乱 / 不純物効果 / Cr合金 / La2-xSrxCuO4 / 不純物置換 / 結晶育成 / 磁気励起 / 高温超伝導 |
研究概要 |
1.Crの研究では、スピン密度波状態にて中性子非弾性散乱実験によるキャラクタリゼーションを行った。結果、低エネルギー磁気励起に現れる特殊モード(通称:Pincher-Burke[FB]モード)の磁気分散・ピーク強度が磁気的ゾーン中心に対して非対称である点を見出した。他のCr単結晶を用い、異なる装置で違う分解能を使っても再現すること、また温度上昇でこの非対称性が弱まることから、FBモード固有の特性か、何らかの別の因子(カイラリティ等)が働いている可能性を導いた。追跡調査するために、Mn/V等の不純物置換したCrの単結晶育成を試みた。アーク炉を用いてトライしたところ、〜1mmサイズの単結晶育成に成功した。育成条件を更に詰めることで、中性子非弾性散乱に必要な〜1ccサイズの育成が可能になる道筋を示した。 2.一方、ストライプ秩序を示すLa2-xSrxCuO4(LSCO)へのNi不純物効果から、遍歴するホールのキャリア濃度が系の磁気相関と電気伝導を強く支配する結果を得た。これは、Crへの不純物置換において、格子非整合な静的磁気相関の周期が不純物濃度(バンド電子密度)に比例して変化する結果と類似している。しかしながら、Crで観られる特異なFBモードに相当する磁気励起は、いまだLSCOにおいて見出せなかった。本質的にそのような励起モードが無いのか、、散乱断面積が小さいだけか、あるいはCrと異なる(Q,ω)空間に励起モードが存在するか、実験的に答えを絞っていくことが重要である。 3.CrとLSCOの中性子散乱研究の過程で、より高いS/N比と高いQ分解能を備えた分光器の必要性が生じた。世界でも例を見ないGeモノクロメータとPylorytic graphiteアナライザーの組み合わせを採用し、高Q分解能を保ちつつ十分な統計の非弾性散乱測定に成功した。
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