研究課題/領域番号 |
16540312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 宏一 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (10219496)
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研究分担者 |
阿部 聡 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 講師 (60251914)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヘリウム / 超流動 / 超音波 / エアロジェル / 相転移 |
研究概要 |
1997年研究代表者の松本はエアロジェル中の液体ヘリウム3の系において、超流動-常流動転移に量子相転移が起こることを見いだした。また、孔径の小さな多孔質ガラス中の液体ヘリウム4も超流動-常流動転移に量子相転移を起こすという報告があり、多孔質体中のヘリウムは3,4どちらの同位元素も興味深い性質を示す。我々はこの系の状態を調べる方法として、超音波を用い、液体ヘリウム3と4の両者について、量子相転移や量子臨界状態の解明を目指して研究を行った。 1.エアロジェル中のヘリウム4の実験 ヘリウム4の相図を様々な空孔率のエアロジェルについて確立した。空孔率92%以上のエアロジェル中では液体ヘリウム4は超流動転移は抑制されるが量子相転移を示さないことが分かった。また、ヘリウムの結晶がエアロジェル中で生成される過程や、固体および固体・液体界面の音響的性質を観測し、エアロジェルが結晶成長や固体中の空孔や転位に及ぼす効果を明らかにした。さらに、超流動相において、特異な超音波減衰の増大を観測し、これと新たな集団励起モードとの関係について国際会議等で発表した。 2.エアロジェル中の液体ヘリウム3の実験 超低温領域での実験を行うために核断熱冷凍機の整備を進め、大型の核断熱冷凍機が完成した。ヘリウムの試料セルの作製については、低温部での圧力その場観測が可能な超音波実験セルを作製した。特に、バルクヘリウムとの違いを明確にするために、ジェルとバルクの両方の試料を同じでセルで観測出来るようにした。現在、このセルを用いた実験が進行中である。冷凍機のトラブルのため研究期間内に十分なデータの蓄積は行えなかったが、現在も実験が継続しており、新しいデータが得られつつある。すでに、純粋な液体ヘリウム3とは全く異なる超音波吸収の温度変化を示すことなどが明らかになりつつある。
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