研究課題/領域番号 |
16540335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松原 史卓 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90124627)
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研究分担者 |
白倉 孝行 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90187534)
鈴木 伸夫 東北文化学園大学, 科学技術学部, 講師 (30302186)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | スピングラス / リエントラントスピングラス / 希釈強磁性体 / モンテカルロシミュレーション / 遺伝的アルゴリズム / リエントラント相転移 / モンテカルロ・シミュレーション / 希釈磁性体 / 磁気双極子相互作用 / 双極子相互作用 / 基底状態 |
研究概要 |
多くのスピングラス物質では、リエントラントスピングラス(RSG)転移が見られる。しかし、その機構は理論的に未だ解明されておらずスピングラスの最大の謎となっている。報告者等は本研究でRSG転移模型を見つけ、その模型をもとにRSG機構の研究をした。 1.RSG模型 我々は実験に立ち戻って、反強磁性第2近接相互作用を持つ希釈強磁性ハイゼンベルグ模型A_xB_<1-x>(A:強磁性原子;B:非磁性原子)を考えた。我々は、x〜0.8の場合に、様々な格子サイズ(LxLxL;L=8〜48)で温度(T)を変えつつ、この模型の詳細なモンテカルロシミュレーションを行い、この模型がRSG転移を再現することを発見した。即ち、この模型では、温度を下げてくると一度強磁性状態が出現しさらに温度を下げると強磁性が消失する。低温相は強磁性クラスターで特徴付けられるスピングラス相となった。これは実験事実とも矛盾しない。様々な磁性濃度xで同様のこの模型の"濃度(x)-温度(T)相図"を決定した。この模型は、実験例Eu_xSr_<1-x>Sの磁気相図研究に応用された。 2.RSG転移と揺動クラスター RSG模型のサイト磁化を計算した。シミュレーションでのサイト磁化の測定例はない。我々は系の一様回転を除去する新たなシミュレーション技法を開発し、サイト磁化の測定に成功した。サイト磁化を分析した結果、この模型の強磁性相には揺動スピンクラスターが存在することが分かった。温度を下げると揺動スピンクラスターが凍結し、これによって強磁性長距離秩序が強磁性クラスターに分裂し磁化が消失することが明らかになった。揺動クラスターは磁性原子濃度の低い領域に現れる。従って、RSG転移はランダム磁性体に特有な磁性原子濃度のバラツキによって誘起されるといえる。 3.ハイゼンベルグ模型に対する遺伝的アルゴリズム 我々はハイゼンベルグ模型に対する遺伝的アルゴリズムを開発した。この方法は希釈強磁性体の基底状態の研究に使われた。
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