研究課題/領域番号 |
16540360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
立川 真樹 明治大学, 理工学部, 教授 (60201612)
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研究分担者 |
島田 徳三 明治大学, 理工学部, 教授 (10162679)
小田島 仁司 明治大学, 理工学部, 教授 (50233557)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 量子カオス / アトムチップ / レーザー冷却 / トラッピング / 非調和ポテンシャル / 原子誘導路 / カオス / 光トラップ / 原子光学 |
研究概要 |
「古典力学の枠組みでカオス運動している系を量子力学で扱うとどのような側面をみせるのか」という量子カオスの問題は、未だに明確な解答が得られていない開かれた問題である。本研究の目的は、電磁場による原子の操作技術を用いて中性原子に対して非線形ポテンシャルを形成し、その中での原子のダイナミクスからカオス系の量子状態を探ることである。以下に各成果をまとめる。 1.磁場勾配によってアトムチップ上に空間捕捉された原子の運動を古典的に解析し、パラメータ変調に伴って原子の振動運動がカオスになることを見出した。レーザー冷却により10μK程度まで低温化された原子集団は、パラメトリック励振により加熱される。観測されるパラメトリック励振スペクトルは、古典論によりよく再現されることから、原子は質点としてカオス振動を行っていることが明らかになった。また、磁気ポテンシャルの非調和性を利用して比熱を制御し、原子集団の内部エネルギーを保存したまま温度を変化させる方法を見出した。以上の成果は、Imperial College LondonのCenter for Cold Matterとの共同研究によるものである。 2.中空ファイバーを用いた光原子誘導路を原子が通過する際、光強度の定常変調によって横方向の振動運動がカオスになる。入射原子をレーザー冷却により低温化するために、光源の周波数安定化を行った。磁気光学トラップの製作は、現在尚進行中である。また、電磁誘起透明化現象を利用した新しいレーザーの周波数安定化法を開発した。 3.対向ビームを用いて非調和ポテンシャルを形成し、μオーダーの微粒子を空間捕捉した。六角柱の氷の微結晶が光でトラップできることを初めて立証するとともに、対流により光トラップの寿命が大幅に伸びることを見出した。 4.非可積分系に内包する周期軌道を広範囲に検索するために、狙い撃ち法に基づく新しいアルゴリズムを開発した。これを異方性のあるケプラー問題、電磁場中の水素原子に適用し、計算時間が大幅に短縮されることを確かめた。
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