研究課題/領域番号 |
16540367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 洋介 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10192428)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 化学平衡 / 統計熱力学 / 流体 / 溶媒効果 / 計算機実験 / 平衡定数 / 液体論 / 二酸化窒素 / 四酸化二窒素 / 混合溶媒 |
研究概要 |
シクロヘキサン-ジオキサンなど数種の混合溶媒系での二酸化窒素の二量化平衡定数を、吸光光度法で決定した。シクロヘキサン-ジオキサン系では、ジオキサン組成の低いところで大きな平衡定数の増加が現れるものの、ジオキサンのモル分率に対し、平衡定数は単調増加関数として振舞った。また密度測定によって部分モル体積を定め、シクロヘキサン中より平衡が二量体に大きく片寄るジオキサン中で部分モル体積がより小さくなることを見出した。実験的には二酸化窒素と強い相互作用をする溶媒の組成が大きくなるほど、二量体の側に平衡が移動することになる。一方、対加算的なポテンシャルモデルを用いた、単純な2成分混合溶媒のモデルについてのモンテカルロ計算は、反応物と強い相互作用する溶媒中では、脱溶媒和の効果によって二量化が阻害され、相互作用の増大とともに溶媒組成の変化に対して極大が現れることが予想された。この実験と理論の齟齬を解明するため、二酸化窒素と四酸化二窒素(二酸化窒素の二量体)の静電ポテンシャルを量子化学計算の結果を元に評価したところ、二量体において分子の分極が大きく、多体力の効果が大きいこと(分子間ポテンシャルの対加算性が成り立たなくなっていること)が示された。そこで多体力の効果を取り込んだモデルを構成したところ、実験で観測されている挙動が定性的に再現されることが分かった。またこの研究とも関わって進めた、疎溶媒相互作用の分子会合に対する効果についての検討は、溶媒溶媒の引力的相互作用の増加が、分子のサイズ、会合様式によって、会合を促進、あるいは阻害することを示し、疎溶媒相互作用が引力的にも斥力的にも振舞うことを示した。
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