研究課題/領域番号 |
16540371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
和田 直久 東洋大学, 生命科学部, 教授 (20120355)
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研究分担者 |
吉田 泰彦 東洋大学, 工学部, 教授 (80134500)
田中 正俊 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90130400)
小田井 圭 湘北短期大学, 情報メディア学科, 助教授 (90233551)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ホタルルシフェリン / 酸素添加酵素 / ケージドATP / ジオキセタノン / 生体エネルギー変換器 / 酵素反応ダイナミックス |
研究概要 |
本研究課題の目的は「ホタルの生物発光反応初期過程の特徴を分光学的に解明すること」である。そのために、3年計画を立案した。すなわち、初年度には問題点を洗い出し、中間年度にはそれらの解決策を見出し、最終年度には具体的な成果を得ることを目標とした。同時に、発光反応素過程の量子化学計算を実施し、新たな定量的知見を得ることに努めた。 1.2004年度の知見等の成果:前年度までの「ホタルルシフェリン(Ln)のDMSO中化学発光反応素過程」に関する研究成果に基づいて生物発光反応にも同じ手法を試みたが、溶媒である水溶液を真空ラインで脱気することが困難でありケージドATP(CATP)を用いる実験を先行させた一光トリガーによりATPを生成し発光反応を開始できる。しかしながら、Ln自身のケイ光強度が強く生物発光ピークと重なるため生物発光の時間変化を検出できなかった。 2.2005年度の知見等の成果:前年度に明らかとなった問題の解決策を見出すことを優先した。短寿命、低濃度の中間体を検出するために瞬時に多数のCATPを分解する必要がある。そこで、酵素ルシフェラーゼ濃度を10"7Mに固定し、〔Ln〕、〔ATP〕、〔Mg2+〕を発光減衰曲線巾が狭くなるよう調整した。また、CATPの最適濃度はその50%がATPに分解すると仮定して決められた。しかしながら、生物発光信号を捉えることはできなかった。 3.2006年度の知見等の成果:前年度までの未解決の問題に対処するために光物性の専門家Tanakaを分担者に加えた。CATPを用いる困難さを分析し、より適した装置を組み立てなおした一YAGレーザー(355nm)のパルス発振をトリガーとして、Lnのケイ光を高速シャッターで機械的に遮断し、微弱な生物発光のみをバンドパスフィルターを通してフォトンカウンティングにより光電流パルスを積算した。その結果、ミリ秒の時間域で生物発光信号の減衰曲線を初めて観測し、今後中間体の直接検出の端緒を開くことができた。 本課題の研究成果として、国際会議を含めた発表件数17件、編著者としての専門書1冊、生物/化学発光シンポジウムに関連した単行本2冊5編、専門学会誌に掲載された論文数が2編であった。
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