| 研究分担者 |
廣野 哲朗 国立大学法人大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70371713)
金松 敏也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90344283)
松木 浩二 国立大学法人東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10108475)
及川 寧己 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (60356607)
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| 研究概要 |
本研究は地球深部探査船「ちきゅう」による地震発生帯への掘削実施に先駆けて,地震発生帯や沈み込み帯浅部(10km未満)を対象とした深海掘削に,コア試料を用いた地殻応力計測法の適用性を確認すると共に,地震断層を貫く陸上掘削等での適用により,地震断層近傍などでの地殻応力の特性を初歩的にすることを目的としている.
平成16年度は,手法を確認する目的で最大深度5km掘削のコア試料で測定した非弾性ひずみ回復(Anelastic Strain Recovery, ASR)により,三次元地殻応力の解析を行った.その結果,大深度下における応力測定手法として,ASR法の有効性が確認出来た.次いで,台湾で行われた掘削プロジェクトTaiwan Chelungpu-fault Drilling Project(TCDP)のHole-Aにおいて,1999年に発生した集々地震の源断層であるChelungpu断層の上部と下部で採取したコア試料を用いて,ASR法による応力計測を実施した.
平成17年度は,引き続きTCDPのHole-Bのコア試料を用いたASR法による応力の計測を行った.有効な非弾性ひずみを高精度に測定することに成功し,三次元応力解析を実施することができた.さらに,Hole-Bの孔壁イメージに基づき,ブレークアウトという現象を利用して,主応力方向の解析を行った.
平成18年度は各種応力計測手法の信頼性を向上させるために,ASR, DSCA,ブレークアウト解析,及び他研究の水圧破砕法などの直接測定結果との比較検討を行った.その結果,整合する応力の測定結果が得られたと考えられ,複数の計測手法を用いることにより,本来大深度下では困難とされている応力計測の確かさを向上させることが可能であると判明した.また,TCDPにおいては地震時の断層滑りの影響を受けて応力分布のパターンが変化したことを明らかにした.
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