研究課題
基盤研究(C)
琵琶湖で採取された高島沖ボーリングコア試料の分析結果を用いて過去40万年間の気候変動を定量的に議論するために、琵琶湖内の4カ所において表層部の柱状試料を採取し、各種分析結果と気象観測データとの相関を検討した。各試料について、鉛-210の深度毎の濃度分布を測定し堆積速度を求め、彦根測候所の各種気象データと深度軸を年代に変換させた各種分析値との相関を求めた。また、4地点の総計結果を同一時間軸に直したものを重合し、気象観測データとの相関を検討した。その結果、堆積物密度および生物源シリカ濃度と年間平均気温および5月・9月の平均気温との相関が最もよいことが明らかになった。さらに冬季の平均風速とこれらの測定値の相関もよいことが明らかになった。湖底堆積物の密度および生物源シリカ濃度が示す内容について検討した。スメアスライド観察の結果、低密度・高生物源シリカ濃度の堆積物には珪藻殻が多く観察され、高密度・低生物源シリカ濃度の堆積物には珪藻殻が多くないことが明らかになった。このことから、それらの測定値は植物プランクトンである珪藻の増減と関係していることが明らかになった。表層堆積物分析の結果確立した気象観測値への変換式を高島沖試料に適用し、過去の気候変動について検討を進めた。研究成果は、15編の査読論文および64件の口頭発表として公表された。
すべて 2007 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (33件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (67件)
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