研究課題/領域番号 |
16540425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
海保 邦夫 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (00143082)
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研究分担者 |
斎藤 務 室蘭工業大学, 機械工学科, 教授 (00302224)
浅野 正二 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (00089781)
藤巻 宏和 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (90133933)
CRAMER Benjamin S. 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 小天体衝突 / 大量絶滅 / エアロゾル / 硫黄 / ペルム紀 / 海洋貧酸素 / 硫黄同位体比 / バイオマーカー / イリジウム / 暁新世 / 始新世境界 / 温暖化 |
研究概要 |
成層圏硫酸エアロゾルが大量に発生すると太陽光をほとんど反射し、光が地上にほとんど届かなくなり、生物の大量絶滅が起こると考えられている。このような状態を最も作りやすいのは、小天体衝突であるので、小天体衝突シミュレーションと衝突実験を行い、成層圏硫酸エアロゾル量を求めた。直径10kmと20kmの小惑星と10kmの彗星の地球の海洋への衝突により生成する硫酸エアロゾルの量は、大量絶滅を起こすには少なすぎ、さらに大きな衝突か、硫黄が濃集した場所への衝突が必要であることがわかった。また、成層圏硫酸エアロゾルによる太陽光反射後の晴れ上がり時の紫外線量増加現象が、衝突の数年後に起こることを計算により明らかにし、それが陸上生物の絶滅に寄与した可能性を示した。 一方、中国とヨーロッパの2地点の試料について、バイオマーカー分析と硫黄同位体比を行い、ペルム紀末の大量絶滅直前に海洋貧酸素環境が発達したことを明らかにした。さらに、ペルム紀末の大量絶滅と同時に硫酸塩硫黄同位体比の減少が起きたことを、これら3地点で明らかにした。硫酸塩硫黄同位体比の減少は、海洋貧酸素環境によって、海洋深層で形成された硫化水素が大量に海洋表層と大気に放出された可能性が高いことを意味する。この同位体比減少を小天体衝突で説明しようとすると、直径70kmの海洋への小惑星衝突、または、硫化物濃集層へのより小さな小惑星衝突が必要になる。ペルム紀末より900万年前のペルム紀グアダルピアン期/ローピンジアン期(G/L)境界においても、大量絶滅層準直前の硫酸塩硫黄同位体比と炭素同位体比の正異常と、大量絶滅と同時の硫酸塩硫黄同位体比と炭素同位体比の減少を中国で発見した。このことは、ペルム紀末と同様に、海洋貧酸素環境によって、海洋深層で形成された硫化水素が大量に海洋表層と大気に放出された可能性が高いことを意味する。
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