研究課題/領域番号 |
16540432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
谷村 好洋 独立行政法人 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (80141985)
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研究分担者 |
岩井 雅夫 高知大学, 理学部, 助教授 (90274357)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 太平洋 / 珪藻 / プロビンス / 表層大循環 / プランクトン・プロビンス / 海洋 |
研究概要 |
現在の西太平洋におけるThalassionemataceae科珪藻、Thalassionema nitzschioidesの3変種(Thalassionema nitzschioides var.incurvata, var.inflata and var.parva)の分布は、北太平洋の表層大循環に支配されている。すなわち、3変種(北西太平洋で採取されたセジメント・トラップ試料の解析によって、その形態の連続性から、1変種にまとめられることが明になった)は、北西太平洋の亜熱帯循環に限って分布する。 DSDP-ODPコアにおける3変種の層序分布と、既存の仮説(太平洋において、初期中新世に弱い表層循環が成立し、中期中新世にはインドネシア海路の閉鎖や黒潮の強化にともなって亜熱帯循環が強くなった、また少なくとも西太平洋において、亜寒帯循環あるいは亜寒帯水塊が成立するのは、250万年前以降である)から、T.nitzschioidesの3変種(T.hidosakiensisを含めて:模式地から採取されたT.hidosakiensisの観察によって,同種はT.nitzschioides var.inflataやT.nitzschioides var.parvaと同一種・変種であることが明になった)の分布が、表層大循環の変遷による表層水塊の細分化に起因して分化した(プランクトンプロビンスが細分化された)ことが示唆された。すなわち、3変種は、北太平洋、北西太平から西赤道太平洋のコアにおいて、亜熱帯循環が強化される中期から後期中新世以降、普遍的に循環内に存在し続ける。一方、3変種は現在の亜寒帯循環下(亜寒帯水塊下)のコアにおいて、後期中新世から前期鮮新世まで存在したにもかかわらず、それ以降の層準に産出しない。亜寒帯循環(亜寒帯水塊)の成立が、3変種の同水塊への侵入を阻害したものと推察される。
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