研究課題
基盤研究(C)
本研究テーマである「スメクタイト-イライト変換反応機構の精密化」について、岩手県葛根田地熱系の探査井IT-2を使った研究は昨年までで終了し、すでに報告したようにこれまでに提唱されていたモデルより一段精度の高いモデルを提唱することができた。本年度は、このモデルの応用としてフランスの共同研究者らと進めていた小アンチル諸島グアドループ島に位置するブイランテ地熱系におけるスメクタイト-イライト反応について、XRDと化学分析に加えて、共存するカルサイトの炭素・酸素同位体を系統的に測定し、粘土鉱物の生成機構と熱水系の発達様式を明らかにした。特に、従来の粘土鉱物学的なデータに同位体データを加えることによって、さらに詳細な知見が得られることを実証したことは重要である。なお、この地域に見られるスメクタイト-イライト変換反応も基本的には、本研究で提唱したモデルで十分説明できることも明らかとなった。ブイランテ地熱系での研究成果はAmerican Mineralogistへ投稿し、現在印刷中である。これまでの研究より、粘土鉱物の形成・変化を知るためには、初期段階における溶液からの粘土鉱物の沈殿生成機構を解明する必要があることがわかった。粘土鉱物の基本構造である珪酸イオンの挙動は難しいので、代わりに鉄鉱物を対象として、鉄鉱物の構造形成に対する共存オキソ陰イオンの影響について本年度は予察的な実験を開始した。これらの研究を進めることによって、鉱物生成のダイナミックスに関してさらに詳細な知見が得られるものと考える。
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