研究課題/領域番号 |
16540443
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
遊佐 斉 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主幹研究員 (10343865)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | ナノチューブ / ダイヤモンドアンビルセル / X線回折 / 流体貯蔵 / アルゴン / 熱間等方圧縮 / 貯蔵 / X線回析 |
研究概要 |
本研究で対象としている、ナノストレージ材料はカーボンナノチューブである。高圧流体を貯蔵できるか否かを判断するためには、その材料強度をまず評価することが必要となる。そこで、16年度は多層型カーボンナノチューブについてダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いて、高圧下で放射光からの強力X線を用いての圧縮実験によるX線回折パターンを解析し、静水圧状態および非静水圧状態での耐圧性能の検討をおこなった。それによると、50GPaまでの圧力下でも、チューブ構造は破壊されることはなく、著しく強靭な耐圧性能を示すことがあきらかとなった。引き続き、アルゴン貯蔵実験をおこなうための、低温下での液体アルゴン充填装置を製作した。本装置を使い多層型ナノチューブをアルゴン中でレーザー加熱することにより充填を試みた。貯蔵の確認は、試料を減圧回収し、元素分析が可能な走査型電子顕微鏡を用いておこなった。その結果、減圧後もアルゴンがナノチューブ内に貯蔵されていることが極少量確認された。17年度は多種にわたるナノチューブに対し、高圧熱間等方圧縮装置(HIP)を用いて、ダイヤモンドアンビルに比較して多量の試料(mg単位)について、3000気圧、800-1000℃といった条件でアルゴン流体中に10時間程度保持する実験を繰り返した。試料は、閉端型および開端型多層カーボンナノチューブ、バンドル型および非バンドル型単層カーボンナノチューブ等である。多層型ナノチューブ内部にアルゴンの検出は極少量であるが、バンドル型単層カーボンナノチューブからは、かなりの量のアルゴンが検出された。以上のことから、チューブもしくはケージ内部にアルゴン流体が大量に貯蔵できるという証拠はなく、バンドルされた単相ナノチューブの隙間、もしくは無定型なsp2構造の隙間に存在することのみが確認された。
|