研究課題/領域番号 |
16550001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野呂 武司 (2005) 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50125340)
田中 皓 (2004) 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00000860)
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研究分担者 |
小原 繁 北海道教育大学, 教育学部釧路校, 教授 (80160935)
本田 宏明 九州大学, 情報基盤センター, 助手 (80404044)
野呂 武司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50125340)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Ru錯体 / 電子移動と配位子 / 配位様式変換 / 光誘起 / 長寿命準安定状態 / ポテンシャル面 / 多段酸化還元 / 励起状態 / [Ru(CN)_5NO]^<2-> / 光誘起長寿命準安定状態 / スイッチング素子 / 無輻射遷移 / Ru_3O(CH_3CO_2)_6L_2CO / oxo中心の酢酸架橋Ru三核 / 同エネルギー異性体 / 3核錯体 / 混合原子価 / 還元体安定構造 / 記憶素子 |
研究概要 |
第二周期遷移金属イオンは第一周期遷移金属イオンに比べて共有結合性が高く、化学的に興味深い物性を顕著に発現する。本研究では鉄と等原子価原子Ruを中心金属とする錯体Ru(III)L_5NOおよびORu_3(CH_3CO_2)_6L_2COを主な研究対象とする。これらの物質は錯体化学の分野で注目される物質で、基礎的研究はもちろん、生体、エレクトロニクスへの応用研究が盛んに行われている。ここで取り上げようとする物質は、電子移動と配位子の配位様式の変換が介在することにより、特異な性質を発現すると予測される点で共通する。 Ru(III):L_5NO(L=CN^-);この物質は長寿命の光誘起準安定状態を持ち、スイッチング素子を作り得る有望物質である。Ruだけでなく、同原子価電子系[Fe(CN)_5NO]^<2->に対して2つのNOの配位の仕方が異なる準安定状態がある。本研究では[Fe(CN)_5NO]^<2->と[Ru(CN)_5NO]^<2->の電子的基底状態の構造、ならびに準安定状態の構造の決定、長寿命の要因、更には、低い励起状態のポテンシャル面を計算して励起状態の電子構造、励起状態を通して起こる無輻射遷移による準安定状態への遷移の過程を説明した。Ruの方がFeより共有結合性が高いゆえに長寿寿命準安定状態のポテンシャル障壁が高くFeに比べて寿命が長くなる。 Ru_3O(CH_3CO_2)_6L_2CO(L=bzpy:ベンゾイルピリディン);oxo中心の酢酸架橋Ru三核錯体は4段階の還元が観測され、特に2電子還元体では、金属骨格側と配位子側の還元のされ方が異なる原子価互変異性体の存在を予測した。金属骨格に対して2つのbzpyが垂直に配位する場合と水平に配位する、異性体の存在を見出している。2電子還元体ではこの二つの異性体の全エネルギーが殆ど同じで、そのために示す物性が異なる2電子還元体が観測される理由を説明した。電子付着の部位の解析を行った。
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