研究課題
基盤研究(C)
これまでπ-スタック型ポリジベンゾフルベンの合成には複雑な操作を必要とするアニオン重合法が不可欠であったが、本研究ではほぼ同様の合成を安価で簡便なラジカル重合によって実現した。同時に、ラジカル重合体には極僅かな構造欠陥が含まれるが、これが高分子の溶解性の向上に大きく貢献することも見出した。また、かさ高い側鎖基を有する新規なジベンゾフルベンの誘導体として2,7-ジ-t-ブチルジベンゾフルベンを合成し、その重合性と生成物の立体構造および物性について調べた。この化合物の重合反応性は低く、重合生成物はオリゴマーであった。得られたオリゴマーの吸収発光特性から無置換ジベンゾフルベンの特異的な光物理化学的性質発現の機構についての知見が得られた。さらに、ジベンゾフルベンオリゴマーおよびポリマーの化学酸化によりラジカルカチオンを発生させ、その分光学的分析を行った。ラジカルカチオン種は近赤外領域に明確な電荷移動吸収体を示し、πススタック構造を通じて電荷の非局在化が起こり得ることを示した。加えて、ポリジベンゾフルベン型ポリマー以外の汎用的なビニルポリマーに対してπ-スタック構造を実現することを目的として、種々のタクチシチーを有するポリ(メタクリル酸フルオレニル)を立体特異性アニオン重合法により合成し、生成ポリマーの立体構造と性質を調べた。得られたポリマーは安定なπ-スタック構造を保持できないことが明らかになったが、その光物理化学的性質には主鎖のタクチシチーが顕著に影響することを見出した。
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