研究課題/領域番号 |
16550146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
梶原 康宏 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 準教授 (50275020)
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研究分担者 |
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (50339131)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 糖ペプチド / CTLA4 / 糖鎖ペプチドチオエステル / 固相合成 / 糖鎖 / 糖鎖ペプチド / 糖タンパク |
研究概要 |
本研究は、糖タンパク質であるCTLA4上の糖鎖の機能解明をするために、ヒト型シアリル糖鎖を有する大型糖ペプチドおよび糖タンパク質の化学合成法を確立しすることを第一目的としている。鶏卵より調製したアスパラギン結合型2分岐複合型ジシアリル糖鎖のアスパラギン残基にFmoc基をシアル酸のカルボキシル基をベンジルエステル化したシアリル糖鎖アスパラギン-Fmoc誘導体(sialyloligo-Asn-Fmoc)を合成した。既にこのsialyloligo-Asn-Fmocを用いた糖鎖ペプチドの合成は成功していたが、sialyloligo-Asn-Fmocの固相への導入率は38%であった。そこで、その縮合収率を向上させる検討を行った。その結果、縮合剤であるDEPBTを用いることで副反応を抑え、sialyloligo-Asn-Fmocを固相上のペプチドに90%以上の収率で導入することが出来た。また、本シアリル糖鎖ペプチド固相合成法では、多数存在する糖水酸基を無保護のまま用いている。そのため保護基を除去する操作を大幅に削減できる。しかし、アミノ酸を伸長させる際、活性化したアミノ酸が40以上も存在する糖水酸基にエステル化することが危惧された。そこで、このエステル化の問題についても詳細に調べることにした。その結果、アミノ酸伸長の際、反応溶液量を調節し試薬の濃度を40mM程度に希釈することで解決した。そして、抗炎症剤として実用化が検討されているCTLA-4の113-150フラグメント(9KDa)を目的化合物として大型糖ペプチドの合成を検討した。このフラグメントはシアリル糖鎖を2本有する。2つのシアリル糖鎖ペプチドを合成後、Native Chemical Ligation(NCL)を用いて連結する合成ルートを採用した。まず、N末端にシステインを有するCTLA-4フラグメント(129-150:CKVELMYPPPYYLGIGNGTQIY(Nに糖鎖が結合))の合成を検討した。その結果、目的とする22残基からなるシアリル糖鎖ペプチドの合成を純度よく行うことに成功した。NCLを利用するにはC末端にチオエステルを有するペプチドフラグメントが必要である。そこで、Fmoc法によりチオエステルを有するシアリル糖鎖ペプチドを合成するために、Fmoc基の脱保護条件を2%Hexamethyleneimine,25%1-methyl-pyrrolidine,2%HOBtの混合溶液(DMSO:NMP=1:1)に変えてCTLA-4(113-128)の合成を検討した。その結果、シアリル糖鎖ペプチドチオエステルを低収率ながら高純度で得ることに初めて成功した。次に、2つのフラグメント用いてNCLを検討した。その結果、反応が進行しライゲーション生成物を与えた。シアル酸残基のベンジルエステルを加水分解することで目的とするCTLA-4(9KDa;113-150)の合成に成功した。また、CTLA4を有するIgFc-キメラの作成も完了し、その表層の糖鎖構造を決定し、化学的手法と生化学的な手法を用いてCTLA4の糖鎖の機能解明をする研究の基盤を確立することができた。
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