研究課題/領域番号 |
16560015
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 北海道工業大学 |
研究代表者 |
今井 和明 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40001987)
|
研究分担者 |
木村 信行 北海道工業大学, 総合教育研究部, 教授 (10204984)
澤田 孝幸 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40113568)
鈴木 和彦 北海道工業大学, 工学部, 教授 (30226500)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | II-VI族半導体 / 超格子 / Type-IIバンド / MBE成長 / Type-IIバンド構造 / ZnSe-ZnTe超格子 / 光up-conversion |
研究概要 |
異なる量子レベルを持つ単周期超格子同士を組み合わせて超周期を持つ二重サブバンド(Dual Subband : DSB)超格子を育成すると、二つの単周期超格子の量子レベルの中間のエネルギーの光で励起したとき、低エネルギー側の発光とともに励起光より高いエネルギーの発光を見せる。これを光up-conversion効果と呼ぶ。本研究ではZnSe-ZnTe type II超格子においてこの発光機構を解明する。 構造の異なるZnSe-ZnTe DSB超格子における励起光強度依存性について比較検討を行った。励起光源としてAr^+(488nm,2.54eV)、およびHe-Ne(633nm,1.96eV)レーザーを用いた。励起光強度はNDフィルターで制御した。Ar^+励起下では全ての試料でHe-Neのエネルギー位置を挟んで2つの発光ピークが観測された。He-Ne励起下で励起光よりも高いエネルギー位置に発光ピークを示し、波長変換効果が確認された。 発光強度の励起光強度依存性(I_<em>〜I_<ex>^n)ではnが1より有意に大きくなり、波長変換効果における遷移過程はDSB超格子特有の遷移過程であることが示された。更に、ZnSe層の薄いDBS超格子においてこのn値が1.7となったことから、ZnSe層が薄い構造のDSB超格子ほどn値が2に近づくと考えられた。発光エネルギーの励起光強度依存性ではup-convertされた発光ピークを含む全ての発光構造が、type-IIの遷移に特徴的に見られる励起光強度の増加に伴うブルーシフトを示した。従って、波長変換効果は、高いエネルギーを持つ光で励起するnormal process下での発光と同一のレベルからの発光である事が判明した。 本研究の結果、波長変換光はV.B.のZnSe層(バリア層)をトンネルする過程を含む2段階吸収による発光であり、その発光レベルは直接励起のH levelピークと同一のtype-IIのレベルからの発光であることが明らかになった。この結果は波長変換光が我々が従来提唱してきた遷移過程を強く支持する。
|