研究課題/領域番号 |
16560024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
塚本 桓世 東京理科大学, 理学部, 教授 (30084312)
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研究分担者 |
樋口 透 東京理科大学, 理学部, 助手 (80328559)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 強誘電体薄膜 / ビスマス層状構造強誘電体 / 有機金属化学蒸着法 / 酸化チタンアナターゼ / バッファー層 / 界面制御 / Bi_4Ti_3O_<12> / 残留分極 |
研究概要 |
ビスマス層状構造強誘電体Bi_4Ti_3O_<12>(BIT)は、a軸方向ではP_r=50μC/cm^2,E_c=50kV/cm、c軸方向ではP_r=4μC/cm^2,E_c=4kV/cmの強誘電特性を有する。Pt被覆基板上での薄膜化により、優れた耐疲労特性を示すことから、不揮発性メモリー材料として期待されている。本研究では、成膜法として、有機金属化学蒸着法を採用し、BIT薄膜とPt被覆基板との間に、酸化チタンアナターゼを導入することで、物質拡散を阻止し、良好な強誘電性を得ることを目的とした。 最初に、Ti(i-oC_3H_7)_4を用いてPt基板上に、酸化チタンアナターゼ薄膜を形成した。基板温度が350℃で酸化チタンのアナターゼ相の存在を確認した。この膜は、表面の平坦性に優れ、小さな流径から形成されるエピタキシャル薄膜であることを確認した。 次に、Bi(CH_3)_3とTi(i-oC_3H_7)_4を原料として用い、アナターゼ薄膜上にBIT薄膜を形成した。Pt基板上に直接形成した場合よりも、Tiの組成はやや過剰になっていた。これは、アナターゼのTiがBIT薄膜形成時の初期核的役割を果たしていることを示唆している。アナターゼ薄膜上に形成したBIT薄膜は、a,b軸への配向性を示し、表面は小さな流径から形成され、Pt基板との界面も良好であった。BITとTiO_2薄膜の合計膜厚を400nmに固定し、各層比を変えたとき、BIT:TiO_2=15:1のとき最も強いa軸配向性を示し、角型比に優れたヒステリシス特性を得ることができた。そのとき、BIT薄膜は、P_r=42μC/cm^2,E_c=150kV/cmの強誘電性を示した。比誘電率は、バルク値と一致するε=160であった。かつ、Pt基板上に直接形成した場合よりもリーク電流の影響が低く抑えられ、10^<-7>A/cm^2の小さなリーク電流を確認した。
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