研究課題
基盤研究(C)
本研究では、次世代半導体集積回路に用いられるゲート長0.1ミクロン以下のMISFETの実現に必要不可欠な高誘電体薄膜の持つ問題点、すなわち界面準位や固定電荷の物理的な起源を実験結果から解明するために、透過電子顕微鏡による断面観察とは異なり、非破壊で界面及び界面近傍の組成や化学結合状態の深さ方向分布を明らかにできる"角度分解X線光電子分光法"を用いて高誘電体薄膜/シリコン界面構造の深さ方向分析を試みた。スペクトル解析のために、LaとSiの組成を制御して作製した膜厚約10nmのランタンシリケートの測定を行った。その結果、La/Si組成比の増加とともにランタンシリケート中のSi原子からのSi 2s光電子の結合エネルギーは、低結合エネルギー側にシフトすること、一方、O 1s光電子の結合エネルギーは、La/siの比が変化してもほとんど変化しないことを見いだした。次に水素終端されたSi面上に室温でLaOXを堆積することで作製したLaOX/Siを用いて、界面の熱安定性を調べた。熱処理条件は、1気圧の窒素中300℃、400℃、500℃である。これらの試料をX線光電子分光法により評価した。測定光電子は、01sよび価電子帯である。また、高輝度放射光施設(SPring-8)のビームライン47XUで測定した角度分解Si 1s、La3 d_<5/2>光電子スペクトルを用いて、界面の詳細な検討を行った。これらの結果を本研究で明らかにした組成による結合エネルギーのシフトを考慮して検討した結果、LaOx/Si界面は、300℃までは安定であるが、400℃以上では、LaOX層とSi層との間で界面反応が生じLaシリケートが形成されること、500℃以上では、さらに界面反応が進行することを見いだした。また、LaOx/Si(100)界面における価電子帯上端および伝導帯下端の不連続量は、熱処理温度の上昇とともに大きくなり、熱処理温度500℃以上で一定値に達するを明らかにした。
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