研究課題/領域番号 |
16560036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大塚 建樹 東海大学, 電子情報学部, 教授 (60266369)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | LD励起薄片端面鏡レーザ / カオス的遍歴 / バースト同期 / 局在横モード / 自己混合レーザ / 多点実時間振動計測 / ブラウン粒子計測 / バイオセンシング / LD励起薄片固体レーザ / 散逸パターン形成 / 自己高速変調 / カオス / 粒子計測 / 多重Λ遷移レーザ / 時間-周波数連結解析 / 情報還流解析 / 量子ビリアードレーザ / ブラウン運動 |
研究概要 |
半導体レーザ(LD)励起マイクロチップ固体レーザを舞台にして、多自由度非線形システム(複雑系)に共通に発現する普遍ダイナミクスの抽出、非線形レーザ科学の創出ならびにLD励起薄片レーザの特長を利用した応用分野の開拓を目指して研究を進め、以下の成果が得られた。 1.非線形ダイナミクス (1)多モードレーザにおいて、モード間の「ネットワーク形成」、「カオス同期」、およびレーザに普遍的に存在する2つの運動形態(ソフトおよびハードモード)をランダムにスイッチングする、明確な「カオス的遍歴」を見出し、:シュミレーションにより再現した。いづれも、レーザ複雑系の普遍現象として意義深いものである。 (2)LDによりそれぞれ対称および非対称励起された2個の直交偏光発振薄片固体レーザの対面結合により、「バースト同期現象」を発見した。パラメータ掃引による結合非線形振動子系の応答として興味深い。 (3)LD励起大口径薄片固体レーザでの散逸パターン形成をLNP、Nd:GdVO4およびNd:YAGセラミックレーザを使って追求し、共振器端面の微細な凹凸や晶壁構造に起因する「lasing channel」の形成による横モードの局在モードへの分裂と付随して発現する動的不安定性を発見し、励起ビーム形状ならびに熱レンズ効果の影響を系統的に明らかにした。併せて、新奇な非線形レーザ発振パターンを発見した。 2.超高光感度レーザ計測 (1)自主開発した「自己混合レーザ計測法」にキャリア周波数多重光帰還を導入し、ヒエゾ振動子の実時間多点振動計測を実現し、静電容量変位計により振動振幅の高精度計測を実証した。 (1)LD励起薄片固体レーザを用いて、微粒子の平均粒径の迅速・高精度な計測装置を開発した。変調波パワースペクトルの粒子径(20nm-500nm)並びにその濃度依存性(0.001-10%)を系統的に測定し、Rayleigh-Debye-Gansの理論が正確に再現された。変調パワースペクトルから直接に、混合試料の迅速な粒径分布計測を達成した。 (2)開発した自己混合レーザ粒子計測装置のバイオセンサーへ適用を試みた。海水中を運動する植物プランクトンを散乱体として計測を行った。自発的には動けないブラウン運動するプランクトンでは、レーザはローレンツ型の変調パワースペクトルを呈し、:大きさの迅速な測定が達成された。鞭毛を素早く動かし運動するプランクトンの速度統計分布の計測に世界に先駆けて成功し、ガウス統計に従うことが見出された。
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