研究課題/領域番号 |
16560051
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工学基礎
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
五十嵐 顕人 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (00115784)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 分子モーター / 確率過程 / ゆらぎ / 結合系 / 粒子分離 / ラチェットモデル / ブラウン運動 / 分子機械 / ブラウニアンモーター / 多自由度 |
研究概要 |
多自由度のラチェットモデルを計算機シミュレーションによって調べた。具体的には、 1.多数のブラウニアンモーターがばねによって結合した系を取り上げ、計算機シミュレーションを行なった。この際運動の方向が2次元的に許されるようになっても、系の折れ曲がりを防ぐ力が働くとした場合、結合したラチェトモデルは、それを構成するモーターの数がある程度多い場合には、少々その進行方向が揺れるけれども全体として系自身が固有に持つ動きやすい方向へ、ほぼ1直線の形を維持したまま、進んでいくことがわかった。さらに、結合するモーターが少ない系はその進行方向が煩雑に変化するけれども、十分に多くのモーターを結合させるとほぼ一定の方向に進むようになることがわかった。したがってin vitro滑り運動測定系における分子モーターの運動方向に関する実験結果を定性的に説明できた。また、ラチェットポテンシャルの空間的周期を変化させることで、滑り運動測定系におけるミオシン分子の密度の変化に対応させ、分子モーターの速度がミオシンの密度が小さいうちは密度が増すと共に速度が増加し、ある程度密度が大きくなると速度が飽和するという実験結果を、このモデルで定性的に再現できた。 2.2種類の粒子を混合したものを、空間的に非対称なギザギザの(ラチェットのポテンシャルの形をした)底を持つ容器に入れ重力の作用する中で上下に加振する。2種類の粒子の物理的な性質(質量、半径など)に応じてそれらは容器の中で飛び跳ねながら違った方向に平均として進むことがわかった。この性質を用いて粒子の分離に応用することができる。 これらの成果は、4年8月にウイーン,5年7月にイタリア、エリーチェでの国際会議、4年9月に青森、5年9月に京都での日本物理学会において発表した。さらに、Physical Review Eに論文が出版された。
|