研究概要 |
従来は非線形問題や物体力を伴う解析を境界要素法で行う場合,内部をセルで分割して解析を行っていた.三重相反境界要素法では,内部セルを用いないで内点を使用するので,データ作成が容易になる. 1.解析が困難な大変形解析が内点の使用で可能になった.また,有限要素法で,大変形解析する場合,再メッシュ分割を行わなければならないが,本手法では境界のみの再分割で解析が可能であり,利点を示すことができた.以前,二次元問題で塑性変形の初期の解析は,メッシュレスで行えることを示していたが,今回は大変形解析が可能であることを明らかにした. 2.三次元の弾塑性解析のプログラムを完成させた.計算時間がかかることやマトリックスが大きくなるなどの問題点があるが,メッシュレスで解析が可能となった. 3.非定常問題を時間依存の基本解を使用することにより,精度良く,しかも計算効率も良い方法を三重相反境界要素法を用いて示した. 4.三重相反境界要素法により,熱発生を伴う三次元定常解析を内部セルを用いないで解析する方法を,熱弾性ポテンシャルの考えを用いて確立した. 5.三重相反境界要素法は,種々の解析対象に応用できるが,一般的数値積分法としても使用できる.スロバキヤのV.Sladek,S.Sladekと共同研究を行った軸対称問題における数値積分法に関する論文が,Communication in Numerical Methods in Engineeringに掲載される. 6.自重に関する物体力の問題は既に解決させていたが,遠心力を伴う場合の定式化方法を完成させた. 7.傾斜機能材料の熱伝導解析の場合のように,完全に方程式を満足する基本解のない場合でも,方程式の主要部分を満足する基本解を使用し,繰り返しのプロセスを入れることにより解析が可能であることを三重相反境界要素法により示した.
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