研究概要 |
1.デジタル画像相関法による変位計測システムの開発 (1)SS400の試験片を用いた実験では,FEMとの平均誤差0.02ピクセル以下での変位解析が可能であった. (2)高次の変形勾配を考慮することにより,3次元有限要素法との誤差1%以内で応力拡大係数が評価できた. (3)2次の変形勾配までを考慮すれば,0.02%程度の微小ひずみが誤差10%以内で評価できた. 2.3次元局所ハイブリッド法の検討 曲げ負荷を受ける表面き裂を有する構造物での3次元局所ハイブリッド法の適用性を検討し,以下の結果が得られた. (1)局所モデルを単純に大きくすれば,より高い精度が得られるわけではない. (2)局所モデルを大きくするのではなく適切なサイズにすることで,高い精度を得る事が出来る. (3)局所モデルの最適なサイズが幾つか得られていれば,近似式をつくり,最適な局所モデルサイズを予想することで,範囲は限定されるが精度良くJ積分値を評価することが出来る. 3.赤外線サーモグラフィによる応力場の逆問題熱伝導解析による検討 試験片の板厚と,実験時の周波数変化が,試験片内熱伝導に及ぼす影響を調査した結果,以下の結論が得られた. (1)熱伝導の誤差の混入は,熱弾性応力測定の周波数の設定により大きく変化する.高精度の解析のためには20Hzや25Hzなどの高い周波数を用いることが必要となる. (2)熱伝導の誤差を消去する非定常熱伝導逆解析を導入しても,低い周波数を用いた熱弾性応力測定による解析では,解析精度の向上は望めない. (3)試験片の板厚の変化に対しては,熱伝導率の高い材料(C1100)において,板厚の増加と共に解析精度が低下する. (4)高い周波数における熱弾性応力測定実験では,板厚方向の熱伝導誤差の混入は,無視できるほどに小さくなる.
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