研究概要 |
焦点誤差検出方式の非接触変位センサをピックアップとして使用する光触針式輪郭測定法は,構成が簡単で縦横ともに高分解能が得られるのでこれまで多くの研究が行われてきた.またこの原理を利用した製品も発表され,種々の加工部品の表面粗さ測定や形状測定に使用されてきた.しかしながら市販されている光触針式輪郭測定機で実加工面を測定すると,測定面の材質や加工法によってはその測定値に触針式粗さ計では現れない,高周波ノイズや突発的なピークノイズが発生する場合がある.そこで我々はこのノイズの原因の一つが測定面の微細形状により発生した反射光スペックルであることを示し,焦点誤差検出方式を基本としながらスペックルノイズの影響(スペックル誤差)を光学的に補正する新しい非接触変位測定法を提案した.この測定法ではこれまでの方法に比べて,ノイズの影響を大幅に減少させることができ,この原理を用いた変位センサを合焦点輪郭測定システムに用いることにより,触針式測定値に非常に近い結果が得られた.しかしながら,その断面曲線を観察すると、所々でわずかにノイズが残り,完全に補正が行われていない場合もあった.そこで本研究は誤差補正変位測定方式を改良し,残存する高周波およびピークノイズの更なる除去を目的とし,以下の研究結果を得た. (1)ノイズの残存する原因が、変位信号の感度減少であることを実験的に明らかにした. (2)直交する2系統のスペックル誤差補正変位センサにより,スペックルの状態を監視しながら最適な測定系を選択する測定系を製作し、スペックルノイズの除去を試みた結果、研削加工面ではノイズを大幅に除去することができ触針式粗さ計と同等な結果が得られた. (3)放電加工面に同センサを適用した結果、研削加工面と同様にスペックルノイズを除去することができたがその効果は研削加工面より少なかった.
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