研究概要 |
本研究では,高額の装置を必要とせず,安価で,かつ,容易な製造プロセスで3次元的マイクロパーツを製作できる「超極細ワイヤーを用いたマイクロパーツ製造法」を確立し,線径が20μm以下の超極細ワイヤーを用いて,マイクロねじ・マイクロナット・マイクロ歯車を試作することを目的とした.研究は2004年10月から開始し,以下のマイクロパーツを試作した. 1.線径が20μmの金メッキ真鍮線と錫メッキ・タングステン線を2本1組として,材質が真鍮で表面をニッケル下地金メッキした直径0.7mmの極細ピンに,密着させて巻き付け,これを半田付けした後,錫メッキ・タングステン線を取り除くことで,ピッチが40μmのマイクロねじを試作した. 2.線径が20μmの金メッキ真鍮線と錫メッキ・タングステン線を2本1組として,直径が0.715mmのステンレス製極細ピンに巻き付け,これを真鍮製の割りピン(呼び:1.6)の頭部の穴に挿入して半田付けを行い,ステンレス製の極細ピンと錫メッキ・タングステン線を抜き取り,また,余分な金メッキ真鍮線と割りピンの足部を切断することで,ピッチが40μmのマイクロナットを試作した. 3.線径が25μmの錫メッキ亜鉛銅線18本と金メッキ亜鉛銅線18本を,材質がリン青銅で表面をニッケル下地金メッキした直径0.31nmの極細ピンの外周に,交互に,斜めに密着させて巻きつけ,これを半田付けした後,金メッキ亜鉛銅線を抜き取ることで,歯数18,モジュール18.1μm,ねじれ角21.4°のマイクロ斜粛外歯車を試作した. 4.線径が50μmの錫メッキ銅線20本とタングステン線20本を,ステンレス製で直径が0.6mmの針管の外周に,交互に,斜めに密着さて巻き付け,これを細管に挿入した後,半田付けし,ステンレス製針管とタングステン線抜き取ることで,歯数20,モジュール32.5μm,ねじれ角11.4°のマイクロ斜歯内歯車を試作した. 5.上記マイクロパーツを用いてマイクロステージを試作した.また,マイクロタービン翼とタービンシステムも試作した.
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