研究概要 |
本研究では,平成16年度において菱形角柱群流路内のLeading edge近傍の詳細な流れの特性を明らかにすることができ、またフリップ・フロップ流れによる均等多数噴流群の形成状況に関しても,PIVを用いた可視化計測実験からその特性の一部を明らかにしてきた.17年度では,フリップ・フロップ流れが発現している菱形角柱群流路内において,カセグレレンズを用いたマイクロPIVによる可視化計測実験を実施するとともに,フリップ・フロップ流れによる均等多数噴流群の構築を行うことを目的として,エアーカーテンなどの応用に向けた安定流体膜の形成条件などを明らかにするための基礎的研究を行った. まず,マイクロPIV結果では,菱形角柱群流路内の分流領域におけるRear edge及びLeading edge付近での流速分布特性を明らかにし,フリップ・フロップ流れの発現メカニズムをまとめることができた. 次に,フリップ・フロップ流れを利用した安定流体膜の形成条件に関しては,フリップ・フロップ管路とアンビバレント管路との組み合わせによって流体膜装置の開発が可能であるが,それ以上にスリット管路を併設することによって流体膜の安定化が図られることが明らかとなった. 以上のように,交差流れを主流とし,縦渦を含むフリップ・フロップ流れに対して,それぞれの流れと渦のせん断方向を異にするスリット流れを並行に共存させることによって均等多数噴流群を構築することができ,流体工学的に興味ある混相流界面現象を発現させることができた.このようなフリップ・フロップ流れとスリット流れを共存させた複合流体を用いれば,破断し難く,流路延長化もできる安定した流体膜の形成が期待でき,エアーカーテンを始め,各種の環境保全機器への応用が可能であることが明らかとなった.
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