研究概要 |
本研究が対象とするマイクロサイズ領域での熱流動現象および応用技術は,高性能VLSIチップ除熱問題(マイクロチャネル流&マイクロ二相流),燃料電池内の多層構造微細流路系,生体バイオ血管の流れなど,次世代の実用工業技術に重要性な役割を果たす.マイクロサイズ流では,流れ状態の指標であるレイノルズ数(Re)が,代表長がミクロサイズである為,小さな値をとり,粘性が支配的な層流的流れである.しかし,ミクロサイズ特有現象であるブラウン運動が無視できず,不確実性的な変動を含み,非定常計測制御は困難である.そのため,新しい画像的な熱流動測定法開発および現象把握(数値データ処理解析・定量分析)・モデル化が不可欠である. 本研究では,マイクロ・ステップ流(後向き)を対象にして,先に述べたマイクロサイズ域での流動・伝熱制御について解明を行う.第1に,後方ステップ端による流体の移動経路への影響(=粒子径および種別の判別の基礎データ),第2に,直径の異なる3種類の粒子を混入させ,混合粒子効果によって粒子の偏在・軌道変化の影響(=粒子の混合による相互影響の定量的評価)を捉えるため,粒子混合条件別に実験を行い,定量的に比較解析し,粒子挙動の現象を解明する. 各粒子を水に混入させた状態で微小流路に流す.可視化粒子として2種を用い,蛍光粒子は,水銀ランプを用い励起波長を照射させ,発光させるのに対し,可視化粒子はハロゲンランプを用い,粒子に陰影をつけて,背景と区別して,2種類の粒子を別途に検出する.倒立顕微鏡からCCDカメラで撮影し,動画でPCに取り込み320×240(pix)の連続的なBMP画像に変換,各点の速度ベクトルを算出し平均重ね合わせをして,ステップ端近傍域の粒子挙動の相違,粒子混合状態変化と移動経路の関係等の本流路中の局所的な粒子流動現象の3D非定常的挙動を解明した.
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