研究概要 |
1 実験的研究 (1)クラスター形成材にはWO_2,MoO_3,Re_2O_7が適すること,Wクラスター光源に最適なクラスター形成補助材はNaBrであること,放電ガスにはNeAr混合ガスが適し,その封入圧は21.3kPaが最適であることを実証した。 (2)クラスター形成材に補助材を必要としないMoO_3を用い,放電ガスの種類によって,クラスターの発光特性がどのように異なるかを調べた。その結果,全光束がNeAr, Kr, Ar, Xeの順に高いとの知見をえた。 (3)クラスター形成材に適する金属について調べた結果,クラスター形成補助材であるハロゲンを封入しないでクラスター発光が確認されたのは,モリブデンとレニウムの2種類であった。次に,クラスター形成補助材であるハロゲンを使用することによって,全光束の高い発光が確認されたクラスター形成材はWO_2,WO_3,MoO_3,Tl_2O_3)であった。 2理論的研究 クラスター光源の発光特性を理論的に推定するためには,動作温度(4000K〜5000K)におけるクラスターの複素屈折率が必要である。平成16年度は,構築したエリプソメトリー装置により,常温においてバルク状タングステンの複素屈折率を測定した。平成17年度は,動作温度2000K〜3000Kで発光しているシャンデリアランプ及びハロゲンランプのタングステンフィラメントの複素屈折率をエリプソメトリーにより算定した。エリプソメトリーの光源には,波長1064nmのNd : YAGレーザの二次高調波である532nmのレーザ光を用いた。算出した複素屈折率を文献の値と比較検討し結果,複素屈折率の実部及び虚部ともに高精度で算出されていることが検証された。
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