研究課題
基盤研究(C)
一般家庭や小規模店舗などに広く使用されている単相三線式配電系統には、多種多様の負荷が2系統に分けられて接続されている。需要家の都合でこれらを不特定に運転するため、2つの系統電流は不平衡になりやすい上、モータの様に低力率負荷も運転される。また、TVやパソコンの電源にはコンデンサ入力形ダイオード整流回路が使用され、これらから高調波電流が系統に流出する。本研究は、パワーエレクトロニクスを応用して、このような単相三線系統における系統電流の平衡化、力率改善、高調波低減を実行できる電力補償システムの開発を目的とした。初年度は、このシステムの基礎となる単相三線用高力率コンバータを検討した。これは、系統の中性線と2つの直流コンデンサを共有した2組のハーフブリッジコンバータで構成され、従来のハーフブリッジ高力率コンバータの問題点であった直流コンデンサ電圧の不平衡が解決できた。さらに、このコンバータを電流バランサへと応用し、同じ系統につながっている数多くの負荷が一方の系統に偏っても、バランスした系統電流にできることを明らかとした。次年度は、この電流バランサの主回路構成は変えずに制御システムのみを変更し、無効電力補償機能とアクティブ・フィルタ機能を追加した。最後に、初年度開発した高力率コンバータにこれらの機能を盛り込んだシステムに発展させた。これを例えばインバータエアコンやIH調理器の電源部に適用すれば、交流一直流変換器としてインバータへ直流を出力してエアコンや調理器を動作させながら、同時に、同じ単相三線系統につながっている他の交流負荷が誘導性あるいは容量性でもその無効電力を補償して力率をほぼ100%に改善し、負荷から高調波が流出してもこれを低減して系統電流をほぼ正弦波に改善し、さらに2つの系統電流を平衡にできるシステムが開発できた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (14件)
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) 125巻12号
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平成17年電気学会全国大会論文集 Vol.4, No.167
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The Fifth LASTED International Conference on Power and Energy Systems (Euro PES 2005) No.468-170(CD-ROM)
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平成16年度電気学会産業応用部門大会論文集 Vol.1, No.12
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平成17年電気学会全国大会論文集 4巻
The 5^<th> IASTED International Conference on Power and Energy Systems (Euro PES 2005) (6月発表予定)
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) 124巻9号
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平成16年度電気学会産業応用部門大会論文集 1巻
パワーエレクトロニクス学会創設記念大会講演予稿集 1巻
ページ: 16-16
