研究課題
基盤研究(C)
本研究では抵抗温度係数(TCR)が零に限りなく近く、かつ室温における抵抗率が従来材料に比べより高い、新規な薄膜抵抗材料の創製を目指し検討を行なった。はじめにZnO:In薄膜の電気的特性に対する窒素や酸素の影響、基板加熱の影響等について検討した。ZnOとIn_2O_3との比率を変えて薄膜を作製した場合、In_2O_3混合量が9wt%の場合にTCRが最小となった。また、作製時のN_2分圧を20%以下とした場合にはN_2分圧の増加と共に抵抗率が減少したが、20%以上では抵抗率が徐々に増加した。次に、Al及びCuを同時に添加することによる特性の変化について検討した。Al_2O_3を2wt%添加した場合にはキャリア密度は10^<20>cm^<-3>程度と非常に高くなり、一方、Cu_2Oを同時に添加すると抵抗率は10^<-3>から1Ω・cm程度まで徐々に増加した。Al_2O_3を2wt%、Cu_2Oを1wt%同時に添加したZnO薄膜については、100ppm/℃以内のTCRが得られた。さらに、ZnOにMgOを混合した場合、抵抗率は10^<-1>Ω・cm程度から10^3Ω・cm程度へと4桁程度増加した。また、ZnOに縮退レベルまでAl_2O_3を添加した状態でMgOを混合した場合、キャリア密度は10^<20>cm^<-3>程度のレベルを維持する一方、ホール移動度は大幅に低下し、抵抗率は3×10^<-3>Ω・cm程度まで高くなった。なお、この場合のTCRは50ppm/℃以内であった。上記の場合にはサファイア単結晶基板を用いていたが、これを石英ガラス基板に代えることでその抵抗率はさらに増加した。以上、本研究で作製したZnO系薄膜材料において極めて小さなTCRが得られ、また、その抵抗率も従来材料よりはるかに高い値を示した。今後、このようなZnO系薄膜材料を用いて新規な薄膜抵抗デバイスが創られていくことが期待される。
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