研究課題/領域番号 |
16560274
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山田 陽一 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00251033)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 励起子 / 励起子分子 / 混晶半導体 / 局在化 / ストークスシフト / 2光子吸収 / 窒化物系半導体 / 励起子工学 / 液晶半導体 / 局在時間 / 生成時間 |
研究概要 |
混晶組成比を変化させた5種類のAl_xGa_<1-x>N薄膜(x<0.1)を対象として、励起子分子発光の励起スペクトル分光を行うことにより、混晶組成比に依存した励起子分子の結合エネルギーとストークスシフトを定量的に評価した。励起子分子の結合エネルギーは混晶組成比xの増大とともに線形に増大し、x=0.092の試料では16.6meVに達することを明らかにした。この値はGaNにおける励起子分子結合エネルギーの3倍であり、混晶化、すなわち励起子分子の局在化により結合エネルギーの大幅な増大が生じていることを明らかにした。一方、励起子分子の局在の度合いを定量評価するために、新たに励起子分子のストークスシフトの実験的な定義法を提案した。その結果、励起子分子が非常に強く局在の影響を受けており、その強い局在化が結合エネルギーの大幅な増大に結び付いていることを明らかにした。次に、励起子分子の局在化とその結合エネルギーとの相関を明らかにするために、高密度励起PLスペクトルの温度依存性の測定を行った。励起子発光線と励起子分子発光線のエネルギー間隔の温度依存性を評価し、温度上昇に伴う非局在化により、励起子分子の結合エネルギーは約10%程度減少することを明らかにした。さらに、混晶局在系における励起子分子の局在時間と生成時間を明らかにするために、励起直後の励起子発光および励起子分子発光の立ち上がりと減衰過程をレート方程式により解析した。励起子分子の生成時間はAl組成比に依存せず、ほぼ一定の値を示し、その生成時間は29psであることを明らかにした。この実験結果は、励起子分子の生成時間が励起子の局在の度合いに依存しないことを示している。即ち、混晶局在系においても、励起子分子は局在した励起子から生成されるのではなく、局在する前の自由な励起子間の相互作用に基づいて生成されることを示しているものであると考えられる。
|