研究概要 |
非線形電磁界解析におけるトータルな高速化と低コスト化を実現するために,ハード的にはPCクラスターを構築し,ソフト的には混合次数辺要素を開発し,その融合を計り,最終的には実用化を目指した.磁場解析や渦電流解析に適応して,従来の細分割法による結果と比較し,本手法の高速性,高精度生,安定性について明らかにした. 具体的には, 1)8ノードPCクラスターの構築とベンチマークを行い,十分性能が引き出せるよう調整した. 2)比較的精度の良い格子構造に対応した六面体辺要素の多項式空間の構造を明らかにし,高次辺要素を開発した.これを空胴共振器の固有値問題に適用し,その有用性を確認した. 3)四面体辺要素と六面体辺要素を接続するために五面体辺要素の多項式空間の構造を明らかにし,その高次辺要素を開発した. 4)渦電流解析や空胴共振器の固有値解析において,PCクラスタの性能が十分発揮できるよう,領域分割法による定式化とコーディングを行った. 5)不連続部のしなやかな接続法を実現するために,高次アイソパラメトリックベクトル要素の開発を行い,従来直線形状要素で発生していた問題が起こらないことを確認した. 6)多種の混合次数辺要素を用いた磁場解析コードの開発を行い,電気・電子機器に適用してそのロバスト性を確認した. 7)さらに,多種のアイソパラメトリック高次混合要素を用いた磁場解析コードの開発を行い,電気・電子機器に適用してそのロバスト性を確認した. 8)本手法は,原理的に低次辺要素も含んでいるのが大きな特徴である.そこで,同一コーニドによって従来法との計算時間,及び解析結果の安定性の比較を行い,本手法の有効性を実証した.
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