研究課題/領域番号 |
16560306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 八戸工業大学 |
研究代表者 |
嶋脇 秀隆 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (80241587)
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研究分担者 |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 電子放射 / シリコン微結晶 / 微小冷陰極 / 真空ナノエレクトロニクス / 平面型冷陰極 / トンネル放射 / 電界電子放射 |
研究概要 |
真空ナノエレクトロニクスデバイスの基幹素子である微小電子源の低電圧駆動化、高電流密度化、放射電流の面内均一性の向上、製作プロセスの簡易化を目的として、レーザーアブレーション法を用いたシリコンナノ・微結晶構造の形成と、シリコン微結晶膜からなる平面型エミッタの開発と動作特性について検討を行った。以下に主な結果をまとめる。 1.Nd:YAGレーザー(4倍波:波長266nm)を用いたレーザーアブレーション法によりシリコンナノ・微結晶膜を形成し、2極構造(間隙:9μm)により電子放射特性を測定した。その結果、アノード電圧10V程度の低電圧からエミッション電流が観測された。また、平均電流3nA時の電流変動は15%以下と比較的安定であった。基板表面上に多数のナノサイズのエミッションサイトが形成されたため、しきい値電圧および電流変動が低減したものと思われる。これらの結果より、低電圧駆動化、安定化には、ナノ構造が有効であることが確かめられた。 2.シリコン微結晶構造からなる平面型エミッタの製作について検討を行った。シリコン微結晶表面には、酸素ラジカルビームの照射により極薄酸化膜を形成した。動作実験の結果、ゲート電極の仕事関数付近の低電圧から電子放射を観測し、電子放射効率約0.5%を得た。放射電子のエネルギー分布を分析した結果、多くの電子は、MOSトンネル陰極同様、シリコン微結晶膜中およびゲート電極膜中において大きく散乱を受け、エネルギーを失っているとの知見を得た。 今後、シリコン微結晶のサイズ、酸化条件、ゲート電極の膜厚の最適化を行い、放射電流量および放射効率の改善を図ると共に、電子放射機構について検討を行う予定である。
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