研究概要 |
本研究の目的は,対象物の硬さ軟らかさを測定するための新しい構造の高性能圧電振動型触覚センサを開発することである。以下に本研究で得られた成果の概要を示す。 1.三脚音さ型振動子を用いた新しい構造の触覚センサの研究 三脚音さ型振動子を触覚センサとして利用するための振動モード及び支持部振動変位を有限要素法を用いて解析し,支持特性に優れた寸法形状を明らかにした。次に,試作した三脚音さ型振動子の実験的検討及び触覚センサとしての特性の評価を行った。更に,センサ先端の接触子の形状が触覚センサの特性に及ぼす影響を実験的に検証し,半球状接触子が矩形断面形状のものより良好な特性が得られることを明らかにした。 2.力センサを一体化した新しい構成の触覚センサの研究 周波数変化型力センサを一体化した縦振動子触覚センサの構成の検討を行った。まず,力センサの感度のシミュレーションを行い,振動子の寸法形状を明らかにした。次に,シミュレーション結果に基づいて試作した振動子を用いて力センサ及び触覚センサとしての性能評価を行った。更に,本構成の触覚センサについて小型化の検討を行い,縦振動子触覚センサに関しては以下に述べるように,縦振動子を小型化し高周波数化することで感度を向上できることを実験的に示した。 3.縦振動子触覚センサの感度の実験的検討 縦振動子触覚センサを分布定数線路モデルを用いて取り扱い,触覚センサの感度に相当する周波数変化率の近似式を算出した。また,共振周波数及び振動モードが異なる縦振動子を試作し,触覚センサとしての実験的考察を行った。振動子の共振周波数が高く低次の振動モードを用いる方が,触覚センサとしての周波数変化量及び周波数変化率をともに大きくでき,小型化にも有利であることが明らかとなった。
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