研究課題/領域番号 |
16560347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
伊藤 繁夫 東洋大学, 工学部, 教授 (30223150)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 伝送特性 / 降雨 / ワイヤレス通信 / 赤外光 |
研究概要 |
光ワイヤレス通信回線は、簡便で安価に回線設計ができ、また高速通信が可能なため、新たな通信形態として普及しつつある。しかしながら、降雨時の通信エラーの発生、また最悪の場合には、通信遮断が起きるというような問題点について、その発生メカニズムは十分解明されていない。 本研究では、これらの通信エラーの原因がどのようにして引き起こされるかを解明するため、赤外光の降雨時における伝送特性について研究を行なった。まず、光波帯では、ミリ波帯に比べて減衰が少ないことが明らかにされており、これらの点を踏まえ、多重散乱理論に立ち戻って、数値積分あるいは解柝的な観点から検討を始めた。そのため、各種気象状態による光ワイヤレス通信に及ぼす影響を調べるため、降雨時にバースト状のディップによるエラーの距離依存特性を調べた。伝搬距離は72mと800mの場合である。その結果、伝搬距離が長い方が、少ない降雨量でも、受信強度が急激に下がるディップの出現頻度は高いこと、また、このディップの半値幅は0.2-0.3nisecと0.5msec-0.7msecに主に分かれて現れていることがわかった。ただ、この範囲で出現したディップは伝搬距離にほとんど依存しないこと、同様に、深さについても伝搬距離に依存しなかった。以上により、長い伝搬距離の方が出現するディップの出現頻度は高いものの、半値幅や深さの値に関する限り、伝搬距離には依存しない形で生じており、また、ある特定の降雨特の時に現れやすい傾向であることも確認された。更に、理論的検討として、輸送方程式を基にして、降雨サイズが赤外光に比べて非常に大きい事を利用して、前方散乱近似で、波動強度を求めた。計算結果より、光波帯における降雨による減衰定数は、この多重散乱理論による計算から、従来の単一散乱結果よりも、減衰が小さくなり、また波長依存性を示せるという結果を得た。
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