| 研究概要 |
本研究の目的は,日常の生産スケジューリング操作を通じて立案手法を習得する自己構築型の生産スケジューリングシステムを構築することである.従来のシステムでは,システムを利用する前に,スケジューリング業務で利用されるマスタ情報やスケジューリング手法をシステム上に初期設定する必要がある.そこで,これらの情報の初期設定を行う必要なくシステムを利用することができる仕組みについて研究を行う.まず,紙面上のガントチャートによる生産スケジューリング業務を模擬したガントチャートシステムの開発を行った.そして,種々のプロセスのスケジューリング業務に対してこのシステムを適用し評価を行った.この評価を通じて,マスタ情報を抽出するメカニズム,立案手法の手順を学習するメカニズムについて検討を行った.具体的には,本ガントチャートシステム上で,作業と呼ばれるスケジューリング対象(生産を行う処理の単位)の操作,作業間の関連を意識した時間移動操作などの履歴情報から有用な情報を自動抽出し利用するメカニズムを構築する仕組みを検討した.この仕組みは,生産プロセスの物理的な知識を自動構築するというアプローチとは異なり,種々の形態のスケジューリング手法に適用するために,ガントチャート上の作業群に対する操作を,図形操作情報として扱い,そのような情報を抽出し利用するというアプローチに基づいている.
|
