研究概要 |
本研究は、プラスチック光ファイバ(Plastic Optical Fiber:POF)やプラスチック光導波路を用いて、メタノールなどのアルコールを検出する光センサの実現を目指すものである。その原理は、センシングクラッドにアルコールに対して膨潤を示すポリマを用いることで、POFなどの導波路の導波状態が、漏れ導波路型から導波型へ変わることによる大きな透過光強度変化を用いるものである。以下の結果が得られた。 [POF型センサヘッド] 1.市販のポリカーボネート(PC,nd=1.58)製POFの一部をテーパー型にし,その部分のクラッド層を除去してポリスチレン導波層(PS,nd=1.60)をコーティング後,さら膨潤性ノボラック錯体(nd=1.61)をセンシング層とする半漏れPOF型センサの作成を行った。このセンサは、エタノール水溶液に対して、良い応答を示した。検出特性は、その濃度が5%以下でも測定可能であり,その応答も1分程度と非常に短いことが確認できた。 2.コア径0.25mm,センサ長が5cmのPMMAコア上に、センシングクラッドとして、ポリエチレンビニルアルコールを塗布することによってPOF型センサを作成した。このセンサは、11%のメタノール蒸気に対しては40倍の透過光強度増加を示した。本センサは濃度2%以下でも測定可能であり,その応答は2分程度あることが確認できた。 [チャネル導波路型センサヘッド] 5μm×5μmと35μn×65μmのチャネル導波路の上部にポリアセタールまたはポリエチレンビニルアルコールを塗布することによって作成した。35μm×65μmのものがメタソールに対して高感度特性を示した。
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