研究概要 |
本研究課題では,水晶振動子式多機能能動触覚センサを開発し,これにより対象の同時性状認識を行った.このセンサは,ロボットによる把持制御や外界認識用のセンサに応用するためのもので,把持力や把持位置,接触力や接触位置,滑り,外界の形状,対象のインピーダンスパラメータ,粘性等を検出する.本研究課題をつぎのように実施した. (平成16年度) 平成13〜15年度に科学研究費補助金を得て開発した水晶振動子式力センサを平行二指ハンドに装着し,対象の把持過程で対象の剛性を動的に測定し,所望の結果を得た.信号処理には科学研究費補助金により作製した多機能能動触覚計測装置を使用した. (平成17年度) 対象の把持過程で,ヘルツの接触理論を応用して対象の柔らかさ測定を行い,所望の結果を得た,水晶振動子式の滑りセンサと把持力センサを組み込んだ対象把持用の指を作製し,その諸特性を調べ,所望の結果を得た.また,水晶振動子式力センサに及ぼす赤外線の影響を調べるための赤外線センサを開発し,平成17年度の科学研究費補助金により購入したレーザ光源を用いてその諸特性を調べ,所望の結果を得た. (平成18年度) 対象の把持過程で対象の粘性測定を試み,所望の結果を得た,また,昨年度作製した水晶振動子式滑りセンサと把持力センサを組み込んだ対象把持用の指により対象の最適把持を試み,所望の結果を得た.さらに,平成17年度に開発した赤外線センサの改良を行い,所望の結果を得た. 以上,平成10〜15年度(3年間×2)に科学研究費補助金を得て開発した各種水晶振動子式センサを統合し,種々の接触情報を同時にリアルタイムで取得できる水晶振動子式多機能能動触覚センサを作製し,これを指等に装着して性能試験等を行い,所望の結果を得た.
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