研究課題
基盤研究(C)
一般にAEシステムは大がかり、かつ多額の投資を必要とする。一方、地盤の挙動は複雑あることからAEをモニタリングとして使用するには数多く設置することが必要である。そこで、本研究はAEのカウント数のみで評価する簡素化したシステムの開発を行い、その実用化を目指したものである。本システムはセンサー、アンプおよびパルス発生器、バッテリー(6V)およびロガーより構成される。本装置は乾電池駆動を基本としでおり、6か月〜約400日の間連続計測が可能である。実用化を目指すという観点から現場に数多く設置した。実績は岩手県(中古生層急崖)、秋田県(地滑り地)、山形県(地滑り集水井)福島県(新第三系急崖)、同(地滑り地およびその影響下の損傷トンネル)、岐阜県(亜炭廃坑)にそれぞれ2〜10チャンネルを設置して計測を実施した。また、エジプトの地下王墓の側壁の劣化やトルコのクリープ性地滑り地、さらには古代遺跡であるデリンクユ地下都市などの海外においても計測を実施した。上記の多くの現場において、AEカウントと降雨との間に相関のあることが明らかになった。すなわち、降雨の約1日から数日後にAEの発生が認められた。例えば、地滑りの影響下にあるトンネル覆工においては、100mmの連続降雨の約12時間後に上方岩盤でAEが発生し、さらにその約36時間後に覆工においてAEの発生を見ている。これらの現象は地滑りが降雨の影響を受けて活発になり、その後覆工が損傷を受けるまでの時間差を示すものと推定され大変興味深い。また、トルコ・ババダー町の地滑り地では、乾季と雨季の6か月間の降雨量の月平均とすべり面近傍のAEカウントの同様な平均値との間には強い相関の有ることが見いだされた。当現場において地滑りの変位は乾季には小さく、雨季では倍以上であることが確かめられている。これらより、多くの現場において、降雨後に認められるAEカウントは地盤内に生じている何らかの変化を示すものと考えられる。本システムは、既存の同等システムに比較して10分の1程度の価格でシステムが構築句能である。したがって、上記に示した結果と総合すると、十分実用化に耐えられると判断される。
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