研究概要 |
横補強筋の代わりに補強繊維を用いた超小型模型で実際のRC部材の復元力特性を再現できるという昨年度までの結果を受けて,今年度は実際にフレーム構造を製作し,振動実験を行った.対象としたのは1994年に行われた3層実大のRC造フレーム構造の振動実験である.これを1/5,1/8,1/15と3通りの縮小率で試験体を製作した,まず試験体製作は超縮小模型であるにもかかわらず問題なく行うことができ,超小型模型試験体が充分製作可能であることを確認した.振動実験では,全ての縮小率試験体が梁降伏先行曲げ破壊しており,破壊機構は実大実験を再現できた,しかしながら,地震応答は,縮小率が高いほど変形角が大きくなる傾向があり実大実験を再現出来なかった.そこで地震応答解析を行った.地震応答解析においても振動実験結果と同様に,縮小率が高いほど応答解析結果より実験結果の変形角の差が大きくなる傾向が見られた.実大と超小型模型の違いとしてスケール効果を調整するための付加重量による床スラブ位置への重量の集中があげられる.即ち,縮小率が上がるほど付加重量が増え床スラブ位置への重量の集中度が増す.しかしながら,地震応答解析では床スラブに重量が集中するという解析仮定を用いており,縮小率が最も大きい1/15の超縮小模;型と一番近いことになるが,実際には,地震応答解析との整合性は最も低い.このことは,従来の地震応答解析で用いられてきた重量を床レベルに集中させるという解析仮定の再検討が必要ということになり,超縮小模型の実大の再現性の問題と併せて今後の課題となった,
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